記憶の保存

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酒に浸って毎日過ごしていると、必要なことも必要でないことも忘れてしまう。そんなわけで内部記憶装置はたいそう当てにならないので、たいていのことは外部記憶に頼ることになるのだが、それもたいていどこに保存したか分からなくなってしまい、結局はどうでもよかったのだそんなことは、となることが多い。とはいえ、何もかも忘れてしまうと東京で暮らしていくにはいささか不便なので、メモなぞをとる。いまはEvernoteがあるから便利といえば便利なのだが、どうも外出先で見るには支障が多い。同期するために時間がかかるし重いしで、携帯端末で見るのは半ば諦めている。

よく思い出せなくて困るのは本のタイトルだ。「あの本、なんて名前だっけ」となることが多すぎる。しかしそういうときにいちいちEvernoteが同期するのを待って検索するにはレスポンスが遅すぎて、思い出したい旬を逃す。この旬は一瞬で過ぎ去るので、それに見合った速度が必要だ。そういうときのためにThingsを使っている。いわゆるTODOアプリで、一覧性もよく、起動が早い。感覚的に使っていて嬉しい。

しかしThingsにも欠点はあって、携帯だと一行しか表示されないので、長いタイトルなどはもう1クリック必要になることだ。これでは一覧性が損なわれてしまうので、あまり嬉しくない。これはiPadを使えば解決するのだが、こちらはこちらで大きいために外で使うとちょっと不格好になってしまう。

それより大事なのはWindowsからThingsにデータを送れないことだ。Evernoteみたいにリモートでデータを送る機能があればどれだけ便利だろう。現に今はEvernoteに取り込んだだけでThingsに送らないために死蔵されてしまっている「読みたい本リスト」「聴きたい音楽リスト」が山ほどたまっている。これをいちいち手作業でThingsに送り込むのは21世紀ぽくないなあ、と嘆息なのだ。

またThingsはテキストで保存するため、HTMLデータなどで保存したEvernoteの内容をこれまた手作業で読みやすく直してやる必要があるのだ。これも大変にストレスフルな作業である。たとえば、本の内容を保存するときはたいていAmazonのデータになるわけだが、著者名と書名と出版社名がばらばらに位置しているため、単純に3回コピーする必要が出てくる。不細工である。1回でスマートに終わらせたいのだわたしは。Automatorなどでそういう整形ができるのならわたしは喜んで勉強しよう。もしかしたらperlとかrubyを学べばうまく行くのだろうか。

ここまで書いてきてEvernote自体でもデータを定型化して取り込む機能があればいいのに、と思いついた。Amazonのデータをそのまま取り込むと、余計な画像やリンクが書名にたどりつくまで岩場のように山積している。つまりはAmazonでない、もっときちんと整形されているところからEvernoteに保存すれば幸せになれるかもしれない。取り込む前に整形するか、取り込んだ後に整形するか、検索すれば分かるとはいっても自分が望むフォーマットに沿った状態で保存したいという気持ち悪さがEvernoteにはずっとつきまとっている。

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