高橋士郎 「自由芸術展」~レイモン・ルーセルの実験室~

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レーモン・ルーセル読書会をやるというのに、同時期に開催される本展覧会の予定をまったく知らなかった。読書会の準備もちょっと煮詰まってきたところで、思い出して足を伸ばしてみた。多摩美大の教授によるものだと聞いていたし、問い合わせ番号も042から始まっているから、てっきり多摩地方で開催されているのかと思ったら、秋葉原の先の方なのだった。

呼び子をするメイドを初めて目にするくらいには久しぶりに秋葉原を通り、15分くらい歩くとスプリンクラーがまわる公園に出る。その先には廃校になった中学校を利用した展示スペース3331がある。白い壁がまぶしい。入って両脇にはカフェがあり、テーブルや椅子は学校のものをそのまま使っているようだ。右手の廊下に進むとさまざまな美術展のパンフレットが、下駄箱を再利用して置かれている。渋谷で今度開催される「寺山修司と天井棧敷◎全ポスター展」は絶対外せないな、などと思っていると、銀色の大きな手のひらがおいでおいでをしている。

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展示場は教室1つあるかないかくらいの広さで、『アフリカの印象』をモチーフにした作品を中心に展示されている。個人的に好きなのはダントンの脳。ドウエル教授!と叫びたくなるのをじっとこらえる。それはそうと読了していないと分からないネタが多い。とはいえ、ルーセルに興味のある方は行っておいても損はないと思います。無料だし!

1階では他に震災をアートから見つめた展覧会が開催されています。子供たちが津波で流れてきた瓦礫に顔を描いたりしたコラージュや、無印良品が身近なもので地震の対策ができることを説明したブースなどがあり、気軽に立ち寄れて考える機会になる素敵な場所でした。

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