コケカツ(110)


コロナウイルスで自粛ムードが蔓延してから、却って規則正しい生活を送ることができている。
日の出とほぼ同じくらいに起きて、5kmくらいを歩く。目的地はそれまで遠くて行く気にならなかったパン屋。そこまでの道はひたすらにまっすぐで、双眼鏡を使えば店が見えるかもしれない。もっとも少しカーブしていたり、人間の高さから見える距離は数kmしかないって『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』だったかで牧ノ原翔子さんが言っていた。だから見えないのは分かっているけど、目的地までほぼまっすぐな道で到達できるというのは、今まで住んでいた街や村ではなかったことなので、何度行っても新鮮で不思議な感じがする。

このパン屋はどれもたいそうおいしく、甘いパンも惣菜のパンもハズレがないし、意外性のあるものが多い。
チョココロネには堅いチョコレートで蓋がしてあったり、クロックムッシュにはタンドリーチキンが入っていたり、一工夫が他のお店ではやらないような独創性に溢れている。作るの大変だろうな、それが地元の人気店の秘訣で、いつ行ってもパンがどっさりあって客で賑わっている。
その中でもわたしが愛するのが生スコーンだ。こんがり焼けたサクサクの生地にチョコチップがちりばめられている。

でも、ちょっと待って。焼いてあるのに生スコーンとはどういうことなのだろう?
検索すると他にも生スコーンを販売している店があるので、この店独自のネーミングではない。でも、焼いてあるね。
日本酒だと火入れした酒はふつうに日本酒と呼ばれ、火入れしていない酒が生酒と呼称される。加熱していないから生、これが生の基準だ。国語辞典にも「煮たり焼いたりしていないこと。加熱・殺菌などの処理をしていないこと。」とあります。
とはいえ、ふつうのスコーンと生スコーンのちがいはうっすら分かる。中のしっとり加減が多い方が生スコーンだという気がする。
だとしたら「しっとりスコーン」くらいの名前が適しているようだけど……。

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