コケカツ(87) SHIROBAKOおもしろいので明日映画行きます

movie

「ユーフォ」とか好きなので現実的にがんばる群像劇は基本的に好きなんだと思う。でも、『働きマン』みたいにヒーロー味が出ると途端に嘘くさく感じて苦手。物語として勝利することが前提で語られると、わたしは関係ないかなと思う。「SHIROBAKO」がすごいのは、同じ監督の「ガールズ&パンツァー」でもそうだったけど、その設定で勝つのは無理でしょと見ている方が諦めているのに、ずるをせずに勝てるところ。「ずる」に見えないところが良かったです。

でも最初はつらかった。主人公格の宮森さんと同じような仕事をしているので、スケジュールが崩れていく様子にいたたまれなくなる。
事前準備の時間が足りない、ステークホルダー全員集めてきちんと意思統一できてない、人員もぎりぎりでなく余裕をもった配置になってない。たくさんの足りないがあちこちで足を引っ張ってくる。それを華麗に踏みつけてきちんと解決していく姿はよかった。
宮森さんのいいところは自分ができないことをきちんと認識して周囲に頼れるところ。制作とかディレクターで「頼る」ができなくてしくじってる人を何人も見てきた。自分はできないのだから人に任せるのが基本なのだけど、劇中でも言われていたように自分で抱えて沈んでしまう人に「手放せ」と言っても手放せないんですよね。2期の平岡くんは人を信じられなくて手放せないタイプ。人を信じないと相手も信じてくれなくなってしまうのって、不信感が菌糸のようにいつの間にかお互いの脳にはびこってしまう。誰しも宮森さんのようにできるときや、平岡さんのようにできないときがある。2人は表裏一体のように見えますね。

次にフォーカスされるのが同じ会社で原画を担当する安原さん。この人も成長著しくて、2期では後輩の面倒というか通訳をするところ、すごい良かったです。1期では可憐でひ弱そうに見えるところが2期では微塵もなく美しく輝く。それを照らすのは隣の杉江さん(かっこいい!)や上長の井口さん、小笠原さん(超かっこいい!!!)。職人ならではのプライドと協力するスタイルというのは、わたしには全くないところなのでとにかくかっこよさしかない。
小笠原さん最高ですよねー。あの格好で左打ち(構えが往年の落合ぽいと思ったら名前の通り小笠原選手なんですね)なのしびれます。今までグッズって買ったことなかったけど、小笠原さんのグッズはいろいろ買いますきっと。

声優志望の坂木さんの焦りというのはずっとひしひし伝わってきました。夢に向かってがんばるという体験があまりないので、自分の能力を信じ続けてバイトしながらがんばる姿、ただただ応援するしかない。
わたしはなりたい職業ってぼんやりとしか考えたことなくて、就活もやらなかったし、とりあえず本に関わる仕事をしたいという漠然とした願望しかなかった。だから夢に向かって進む人って眩しくて正視できない。特にガヤで失敗しちゃうところは何度も一時停止押してしまった(共感性羞恥)。失敗しなきゃ成長しないことは分かってるけど、失敗する機会さえなかったらどうしたらいいのか。つらい。

3Dの藤堂さんは、今の会社でできることは全部やったような気がするけど、気軽に転職していいものか悩む。転職に踏み切るタイミングは本当に人それぞれだから、簡単にどうこう言えない。まして労働条件が良いところならぬるま湯に浸かって離れたくないのがふつう。
わたしは転職をたくさんしてきたけど、多くは外部的な要因(給与未払いとか部署解散とか)ばかりなので、良い条件を捨てて新しいところへ、という思い切りをしたことがない。自分の技術を磨くために転職するという動機、これも眩しかったです。

脚本志望の今井さんは、自分のやりたいことと自分の得意なことは別というパターン。脚本ではなく調査能力を重宝される。ドストエフスキー読んでるだけでポイント高いです。
わたしは、本に関する仕事なら編集だろうと思ってたけど、全然なれなくて、気づいたらWebの世界にいた。自分のやりたいことと得意というか商売になることがちがったのです。今井さんが脚本家としてデビューするところは描かれないけど、師匠と呼ぶライターさんとのやりとりを見る限りでは、きっと夢を叶えそう。

5人がそれぞれ努力して夢を叶えつつあるのは、5人が近くにいて会えるという環境も大きいと思う。Perfumeの「Point」に

ずっと変わらないのは 流れるより難しくて

という歌詞があります。本当にそうだよなーと年を取ればとるほど実感できる言葉で、でもSHIROBAKOの5人は、5人だから変わらずに流されずにいられる、それはとても希有なこと。
映画もぜったい行きます。

コメント