コケカツ(84)御前山でコケ探索

Bryophytes
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結論から言うと、御前山は杉ばかりなのであんまりコケなかったです。

奥多摩に苔を見に行くようになり、低地にはそこそこ種類があることは分かってきました。低地といっても海抜800mくらいあるので、苔の本で「低地」に生えているようなヒョウタンゴケやハタケゴケなどはあまり見かけない(見つけられない)。ギンゴケや「山地」にカテゴライズされるネズミノオゴケ・リボンゴケ・シノブゴケの仲間が多いです。
これは水が流れてるところにしか生きられないホソホウオウゴケ。

ホソホウオウゴケ

800m台でそういう種類がいるのならば、1000mを越えたらどうなるのか。奥多摩で1000m前後の場所といえば御嶽山。ロックガーデンや七代の滝など、水分の多いところには苔がたくさん育っています。しかしここも一番高い御嶽山頂で929m。1000mを越えた世界を見ることはできない。

そこで今回アタックするのが標高1405mの御前山。大岳山、三頭山と並ぶ奥多摩三山の一つ。低地にはチヂレゴケの仲間らしきものもいました。

ナガバチヂレゴケ?

登りだしてから気づいたのだけど、スタート地点は800m台で頂上が1400mということは、600m近く登るということだ。スカイツリーよりも高い。
それに気づいた時は既に引き返せないくらいの急勾配にさしかかっていた。しかも掴まれるような木があまりなく、大風が吹いたらよろめいておむすびのように転がり続けるのではないかというような坂。汗だくになるし、高所恐怖症が出てくるしで「つらい」しかないモードに。杉林で水気がなく、ホソバオキナゴケさえいないのでコケ的にはまったくのはずれ。つらさに拍車がかかります。

それでも登りはじめてしまったら、ある程度のところまで行かねばならない。1300mあたりで分岐があり、左に行くと御前山、右に行くと奥多摩湖へ下りるという場所。迷わず奥多摩湖を選ぶ。もう無理。
さらに下りがきつい。登山の上りは「全集中! 蘚の呼吸 壱ノ型 Rhodobryum giganteum!」って竈門炭治郎が降りてくれればがんばれる。

Rhodobryum giganteum

身体が硬いせいか、下りの着地で膝が痛む。ここもふらりとバランスを崩したらかなり下まで転げ落ちるような場所。こんな時、左手に鈍い緑に輝く奥多摩湖が視界に入り、あそこまで転げ落ちたらどうしようという不安と闘いながら、はてのない下りを一歩一歩踏み出す。1.5時間ほど費やして、ようやく奥多摩湖ダムに到着すると、生まれたての子鹿のようになっていた。死ぬかと思った。
でも、ずっと課題だった山頂付近を見ることができたのは収穫。そして山頂付近にはあまりコケがいないから、がんばらなくていいと割りきることができました。

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