コケカツ(66) 映画CATSは確かにキモいけど、悪くはない

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映画CATS公式サイト

むかし演劇部だった反動で、演劇や落語などリアルタイムで演じるものをあまり見たくない。どうしても批判的に見てしまう自分がいやだ。さすがにもう代わりに舞台に上がるなんて絶対無理だし、(嫌いな言葉だけど)センスが現代からずいぶん取り残されている。それでも恥ずかしいというか、決まり悪いというか。舞台を選ばなかった自分を諦めはしても許せないのかも。

劇団四季は育ちのいい人が行って、帰りに素敵なレストランで食事するイベントという勝手なイメージがあって、当然見たことない。演劇部だった人も劇団四季は別物、と思ってる人が多そう。クレジットにDENTSUの文字があったから、何かしら係わってるみたいです。
猫は大好きだけど、正直悪評の野次猫として見に行きました。

長ったらしい新宿ピカデリーの広告が終わり、いざ始まるとずっと猫と歌。「レ・ミゼラブル」なんかは歌ってない時間も多かったから物語を楽しめたけど、こっちはふつうの会話がほとんどないくらいにずっと歌。歌はすごくよかった、R&Bぽく低音をきかせた作りになっていたり、名曲は名曲らしく使われていたりで、おそらく元のミュージカルからほとんど変えていないんでしょう。だからこそ「別に映画にする必要なかったのでは」と思ってしまう。消えたり手品したりするところも、CG丸出しであまり効果的に見えない。

猫の造形は「不気味の谷」なんて言われてるけど、スタッフロールにものすごい人数が記載されたいたように丁寧に作られていたと思う。顔はまあ、人間だから仕方ない。でも、手足が人間そのままなのはなんとかならなかったか。マニキュアしてたりヒール履いてたりすると、すごく人間くさい。這いつくばっているのは猫と言うより類人猿を彷彿させました。手足を肉球にするだけでだいぶましになったと思うんだけど、ダメな理由があったのかな?

CGといえば、ネズミやゴキブリを調教してるシーンはぎょっとする。猫に比べても小さいし、それをぺろりといく様子は無邪気なグロ。
きちんと作りすぎたせいで微妙に退屈だけど、名曲を今の上手な歌手が歌うというところが良かったので、悪評ほどひどいとは思わなかった。そういう、全てが中途半端な印象。
わたしには近所の猫を見て和むくらいがちょうど良さそうです。

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