コケカツ(48)ポルベニールブックストアで橋本亮二×友田とん対談を聞いてきた

『日々是製本』 book

コケカツ!とは野山に分け入ってコケを見ること。撮るだけで採らない。

「今度鎌倉行くんでコケ教室参加したいです」
「その日いません」
苔王子こと苔むすび店主の園田氏に見事にふられる。ハンドメイドジャパンフェスに出展されていたそうです。ちぇー。

大船の商店街を初めて歩く。北側の観音様には行ったことがあるけど、南側がこんなに栄えていたとは驚き。キャッチの居酒屋まである。入ったことないけど、店員が外にいられるほど暇ってことでしょう、と思うと、有効的な給与の使い方には思えない。

5分ほど歩くと会場のポルベニールブックストアに着く。

「ポルベニール」はスペイン語で「未来」の意

もう座席はほぼ埋まっていて、参加費を払ってビールを受け取る。
対談は二人のなれそめから始まり、本を作ることの楽しさ、小規模出版社を興すことのいろいろなど。
橋本亮二さんは十七時退勤社(Webサイトはまだないそうです)を製本家の方と一緒に立ち上げて秋の文フリに毎年出すようにしたいとのこと。出ている2冊とも買って、どちらも本に携わる日常が描かれていて、いい。副社長の笠井さんが書いた『日々是製本』は紐で綴じてあり、表紙の紙も手触りがすてき。製本という仕事を普段は意識しないけれども、どの本も製本の人がいなければばらばらの紙ということを改めて認識する。間接的にお世話になっているので、足を向けては寝られないので南西の方角に置くことにした。☷。

『日々是製本』の綴じ紐

友田さんとは読書会で何度も顔を合わせているし秋の文フリで手伝いもしたのだけど、出版社を自分で興すことについて改めて聞くことも多く、見知っている人がステージに立つという新鮮な一面を見ることができた。

基本的に海外文学ばかりを選んで読むので、日本人が書いた本を読むことが少ないのだけど、秋の文フリ以降、妙に気になる。海外文学を読むのとはちがった好奇心が動いていて、同世代や下の世代が考えていることや日常の生活というのは、わたしの上の世代とはちがう。地に足が着いていそうで5cmくらい離れているような、気づかなければ気づかないままの不思議な日常を過ごしている人が多い。
全部はフォローできないけど、縁があれば読みたい。SFとかマジック・リアリズムみたいな「ジャンル」で本を追いかけてきたから、ジャンルの外になる本が目に入りづらいことに気づけた。

友田さんは最後に良かった本を紹介というところで、『収容所のプルースト』(共和国ってどこにリンクするのが正しいのか分からない)『プルーストを読む生活』とプルースト関連書2冊を紹介していて、わたしの関心とぴったりで相性度100%と読書メーターみたいになった。

『収容所のプルースト』を紹介する友田とん

参加者の二人を見て、『日々是製本』を読んで、わたしはそんなに本が好きではないのかもな、と省みる。好きというよりは楽しめていない、方が近いかも。ちょっとした義務感が自分の読書にはつきまとう。本を読まないと自分が望んだ自分になれない、という危機感は若い頃からあって、それがこの業界にとどまらせている理由だとも思う。この危機感のせいでわたしは「本が好き」と素直に言えない。それもまた自分だからしょうがない、と開き直るくらいにはとりかえしのつかないところまで来てしまった。

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