コケカツ!とは野山に分け入ってコケを見ること。撮るだけで採らない。
今年からマンガは電子で買うようになりました。複数巻あると家のスペースをあっという間に侵食してしまう。しかし、紙よりも画質が劣る場合があるという話を聞いて、ちょっと不穏な気持ちになった。
電子書籍のよいところ・わるいところ、どちらもあると思うけど、けっこう大きいのがフォント。マンガはあまり影響ないけど、文字ものは媒体に左右されてしまう。出版社ならではのフォントは活かしてほしいし、Webで使えるフォントも増えたのに、こだわってフォント変えられますという電子書籍アプリを知らない。hontoはアドバンテージありそうなんだからがんばってほしい。
テッド・チャンは残り2編だけどちょっとおやすみして、梨木香歩『鳥と雲と薬草袋』を読む。
日本の地名を発端にしたエッセイで、
・失われた地名
・文字に依りかからない地名
など、テーマを元に特定の地名をもとに2ページを綴っていく。四国中央市や南アルプス市を「乱暴」な名付けとしたり、「姶良」などは音だけで興味をそそられるとする気持ち、ちょっと分かる。わたしはずっと東に住んでいるので、西の地名は読みはもちろん音もかなりちがいを感じる。もしかするとスペイン語とイタリア語はこのくらいのちがいなのだろうか。それにしても西の、それも九州の話が多いなと思ったら、本人がどうやら鹿児島生まれで、元の連載が九州の新聞なのだった。北関東・東北がほとんどないので読んでる間ずっと不思議というか、寂しい気持ちになっていた。
あと、鳥をはじめとする雰囲気のある西淑さんのイラストも、楽しい寂しさに輪をかけてくれる。
土地の歴史と言えば、東京都立中央図書館@広尾には各地の地誌が保管されていて、各自治体の歴史を繙くことができる。わたしの地元には一応城があって、首領の一族が支配していたらしいとか、地元に住んでいる時は知らなかった。全部を読んだわけではないけど、地誌なるもの、そうそう簡単に編纂できるものではないから、昭和の時代に郷土資料を編纂する動きがあったのかも。
高校時代、演劇をやりながら方言に興味があった。県外に出たことなんてほんのわずかだったけど、ダウンタウンがテレビを通して関西弁をお茶の間に届けた頃。東と西では地名の読み方からしてまるっきりちがうのを意識した。しかし、大学ではそのような授業はなく、後に平成の大合併で多くの由緒ある地名が消えていった。それとともにわたしの興味もなし崩しになった。その後に関東大震災や今年の台風による水害など、地名はその土地に起こった歴史を表していることが着目されたけれども、合併によって忘れられた頃に災害がやってくることを改めて知らされた。人の経験によって残された情報が、後世では理解されずまた同じ苦しみを受ける。賢くなったようにみえても、人は忘れる。
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