ハンナ・アーレント『人間の条件』をゆっくり読む(4)

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「いいや、あたしゃ神様だよ」と言う人なら人間の本性についても言い表してくれるだろうか? 童心をなくしてしまった今のわたしには、ドリフあんまり笑えませんでした。一つ大切なものをなくしたような気がします。

「人間の本性にかんする問題は(中略)解答不可能なように思われる。」ということで、人間の本性を定義づけられるのは神だけ。人間の本性を定義づけようとすると神の創造に行き着くというところが、よく分かりませんでした。言葉や道具を用いて二足歩行する哺乳類、だけではなくて、善く生きるための共同体をなすもの、というアリストテレスの定義を踏まえたものだとは思います。ということは、なぜ人間は悪を為してしまうのか、とか、善は立場によって異なってしまうのはなぜか、ということに言及しているのでしょうか?

日本人であるとか女性であるとかのような諸条件は「われわれは何者であるか?」という問いに「絶対的に」答えるものではないとしています。哲学と科学を対比して、人間は地球に縛られた被造物ではないとします。最近も物理学と哲学について論争があったようです。そちらの論争もとても興味深いのだけど、触れているときりがないので。
本書に戻ると、地球から飛び出したとしても、人間の本性が変わるかどうかは疑問です。一つの条件が変わっただけで、本性というものが変わってしまうのでしょうか? 「宇宙の視点」といっても地球に食料や燃料を依存していることには変わりなく、そういう意味で地球に拘束されたままのような気がします。すると、テラフォーミングして火星に住むことができたら人間の本性が変わるのか、と言えばそうでもなさそう。このあたりは議論がもう一段アップデートされるべきだと思います。

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