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初めて文化大革命のことを知ったのはたぶん高校の社会科だと思うのだけど、しっかり自分の中で気になるリスト入りしたのは映画「さらば、我が愛 覇王別姫」。
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大島弓子をはじめとした少女漫画ばかり読んでいた頃なので、男性同士の恋も特別違和感なく受け入れられた。レスリー・チャンが美しすぎるから、人間というよりは天使のような別の生命体と思っていたことも違和感がなかった理由かも。伝統芸能を受け継ぎ己の技に磨きをかける人々が、それまで正しいとされてきた価値観が破壊された社会で悲しい運命に翻弄されるさまがとても悲しく美しいと思った。けっこう長い映画だけど5回以上見ている。一度は部屋で異性といっしょに見たのだが、途中で寝てました……。
それ以来、社会の価値観を一気に変えてしまった文化大革命というものに興味がある。太平洋戦争が終わった時も価値観の転換があったと思うのだけど、文化大革命は毛沢東が引き金を引いて大きな運動に繋がったことがどうにも信じられないというか、一人の人間がそれだけの影響を与えてしまう大きな力を持ち得ることに圧倒されてしまう。
本書は文化大革命自体を解き明かすのではなく、タイトル通り文化大革命という台風を起こした中国と、それに影響された各国の民衆の姿を描く。といっても、前半はほとんどスカルノ大統領の統治するインドネシアで発生した9.30クーデターが中心。共産党政権ではなく民衆も反共なのに、中国とは結びつきを切らなかったというのが興味深い。1960年代後半はフランスでも大きなストライキがあったり、ロックからプログレッシブロックへ派生していったりと、世界中で考えられ行動された時代だったのかも。本書でも取り上げられている小熊英二の『1968』も気になるけど、上下で2000ページ超か……。
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興味ある事象なのに妙に読み進むのが苦労するのは、20代の熱い気持ちをわたしがどこかに置き忘れてしまったからかも。
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