苔観察日記:奥多摩某所は多種多様の苔でいっぱい!

Bryophytes
20180429苔観察
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※苔は基本的に生息地でしか育ちません。苔を獲ったり持ち帰ったりするのはやめましょう。

ゴールデンウィークの奥多摩は年を経る毎に人が増えているような気がする。今日は初めてホリデー快速おくたま1号に乗ってみた。都心に住んでいる頃はちょっと遅い時刻に発車する3号に乗るのが精一杯だったのに、引っ越した後は普段と同じ時刻に起きて1号に乗ることができる。それでも奥多摩駅前は大混雑で改札を出るのも一苦労。バスに乗るのも大変で、こんなに並んでるの初めて見た。

ゴールデンウィーク初日の奥多摩駅前

ゴールデンウィーク初日の奥多摩駅前

知人の知人から伝聞で苔感ある場所を教えてもらったので、道に迷って40分くらいロスしながら某所へ到着。いきなりタマゴケ(Bartramia pomiformis)たちがこんもりとした塊になっている。奥多摩のタマゴケといえば、蒴が白くなって胞子をつけないカビに出会ったことがありましたが、ここは感染していないようす。蒴を付けていない群落もけっこうあるけど、所々では胞子を出し終えて皺のよった蒴になっているものも。これはこれで好き。

2018年のタマゴケ

2018年のタマゴケ

このルートには量は少ないながらも苔類がそこそこいて、特にコオイゴケ(Diplophyllum)の仲間はこの辺りでは初めての遭遇でテンション上がります。ぎざぎざな感じがたまらない。これはノコギリコオイゴケ(Diplophyllum serrulatum)かな? 裏側には無性芽のようなものも見えます。

ノコギリコオイゴケ(Diplophyllum serrulatum)?

ノコギリコオイゴケ(Diplophyllum serrulatum)?

無性芽もある腹側

無性芽もある腹側

他にホウキゴケやトサホラゴケモドキ、ハネゴケの仲間(葉脱落)などもいて、苔類派にとって時間が過ぎるのを忘れてしまう場所です。

蘚類も大物が多くて、オオシラガゴケ(Leucobryum scabrum)やオオカサゴケ(Rhodobryum giganteum)、シンモエスギゴケ(Pogonatum nipponicum)、キヨスミイトゴケ(Barbella flagellifera)など水がきれいな山地ならではの大物が続々。オオシラガゴケやオオカサゴケを一人で見つけられたのは嬉しかった。わたしが苔を見るのは一人で宝物を見つける喜びが根底にあるようです。

オオシラガゴケは岡本太郎ぽい

オオシラガゴケは岡本太郎ぽい

ぎゅうぎゅうに密集してわけがわからないオオカサゴケ

ぎゅうぎゅうに密集してわけがわからないオオカサゴケ

高尾山6号路でもちりちりになってるシンモエスギゴケ(?)

高尾山6号路でもちりちりになってるシンモエスギゴケ(?)

今回はどんな苔がいるか偵察するだけだったので詳しく調べていませんが、かなり多様かつ貴重な種類がいるので、開発などで壊されないことを祈りたい。暖かくなってきたのとアニメの影響もあるのか、キャンプの人が増えていました(中には禁止されている場所に立ち入っている人たちも……)。どうか遊び半分で荒らしたりしないでほしいと思います。

へとへとになったので帰りに一杯と思って立ち寄ったVertereはものすごい賑わいでカウンターまで人がいっぱい。まだ開店して間もないのに2号店(?)の準備もはじまっていて、すっかり奥多摩の名店になりました。ここのIPAがパッションフルーツの味でおいしいんだけど、休日はしばらく無理だな……。

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