6月は本ばかり読んでいた

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2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:5261ページ
ナイス数:274ナイス

菱山修三全詩集 1菱山修三全詩集 1
読了日:6月28日 著者:菱山修三
どうして書くの?―穂村弘対談集どうして書くの?―穂村弘対談集感想
カジュアルに短歌の良さをわかるためにうってつけの良書。なかでも、竹西寛子さんとの対談が出色。「(古今集などの)四季の歌はすべて贈答歌」「文学の力は説得・喚起・煽動」など、古代から続く詩情の力について語られる。著者は誰に対しても優れた聴解力で導かれるような形で対話を導く術を身につけている。長島有との「時代は驚異よりも共感」というところや、「言葉は生き抜くためだけのものではない」あたりの議論が最高に刺激的。役に立つことしか評価されない時代に、ことばの美しさを求める人たちの内心を読むことができる一冊。
読了日:6月26日 著者:穂村弘
ペドロ・パラモ (岩波文庫)ペドロ・パラモ (岩波文庫)感想
ひらがなの多い訳文がこの村の貧しさとやさしさを表している。過去も現在もなく、誰が生きていて死んでいるのかもわからない状態で始まり、読み進めるにつれ徐々に断片の関連性が見えてくる。ペドロ・パラモ一族による支配と終焉が太陽のように輝く一方、月のようなささめきが人々の間に交わされる。人々の歎きが荒涼とした大地にぽたりぽたりと滴のように落ちるが、メキシコの熱波があっという間に蒸発させてしまう。貧困と無教養の哀愁を描き、岩波文庫に収められるに相応しい傑作。
読了日:6月25日 著者:フアン・ルルフォ
トマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン(下) (Thomas Pynchon Complete Collection)トマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン(下) (Thomas Pynchon Complete Collection)
読了日:6月23日 著者:トマス・ピンチョン
蝉の女王 (ハヤカワ文庫SF)蝉の女王 (ハヤカワ文庫SF)
読了日:6月23日 著者:小川隆,ブルース・スターリング
世界屠畜紀行世界屠畜紀行
読了日:6月23日 著者:内澤旬子
なるほどデザイン〈目で見て楽しむ新しいデザインの本。〉なるほどデザイン〈目で見て楽しむ新しいデザインの本。〉感想
とにかくデザインが苦手。第1章のタイトルどおりに「デザインに『正解』はない」から、仕事で取り組むとうんざりする。どうやってもどこかでけちをつけられるのではないかという恐怖感がいつもつきまとうので、せめてデザイン関連書を読むことで、少しでも苦手意識を取り除けたらと思う。画像が多い割に説明はとてもロジカルで、一度に覚えられるとは思えないけれども、常に手元において困った時に参照したい内容ばかり。特にデザイン前の整理方法やデザインの七つ道具は、無意識に使うのではなく、段階を追うことで余計な後戻りがなくなりそう。
読了日:6月21日 著者:筒井美希
望星 2016年 07 月号 [雑誌]望星 2016年 07 月号 [雑誌]感想
全く知らない雑誌だったけれども、苔特集とあれば勇み足をふみふみ買わねばなるまい。これまでの苔関連の書籍は雑に分けると「観察・学術」系と「育成」系の2つになると思うのだけど、この雑誌は1冊で、それも第一人者の言葉を読むことができるのが大きい。苔を研究している大石先生と樋口先生の文章には、日々研究に取り組んでいるからこそ発することができる知識に満ちた安心感がある。図書館や大きな書店などでぜひ手にとって、苔の世界を垣間見てください。http://www.uporeke.com/book/?p=2154
読了日:6月21日 著者:
女の子の食卓 6 (りぼんマスコットコミックス クッキー)女の子の食卓 6 (りぼんマスコットコミックス クッキー)
読了日:6月17日 著者:志村志保子
女の子の食卓 4 (りぼんマスコットコミックス クッキー)女の子の食卓 4 (りぼんマスコットコミックス クッキー)
読了日:6月17日 著者:志村志保子
女の子の食卓 3 (りぼんマスコットコミックス クッキー)女の子の食卓 3 (りぼんマスコットコミックス クッキー)
読了日:6月17日 著者:志村志保子
ブザー、シグナルゴーホーム (マーガレットコミックス)ブザー、シグナルゴーホーム (マーガレットコミックス)
読了日:6月17日 著者:志村志保子
詩の楽しみ―作詩教室 (岩波ジュニア新書 52)詩の楽しみ―作詩教室 (岩波ジュニア新書 52)感想
学生時分は全く詩を理解できないまま、なぜか現代詩を専攻したりして苦労した。本書を読んでいればもっとずっと作品に寄り添うことができて、詩に苦手意識を持たなかったかもしれない。「表現とは対象をほめる(対象に惚れこむ)こと」というのはいい。好きでも嫌いでも辞書に決められた定義そのままを用いるのではなく、どのように言い換えれば言葉と世界が読んだ人の中で結びつけられるのかをたくさん考えて書く。詩に限らず、ありがちな表現に沈み込んでしまいがちなインターネットの時代(執筆当時はなかった!)だからこそ読むべき一冊。
読了日:6月16日 著者:吉野弘
半島へ半島へ感想
場所は伊勢志摩あたりの半島。海と山の恵み両方を受けられる半島で、東京での生活を一時リセットする主人公が自然の恩恵を受けつつ、同じ場所で暮らす人々との交流と過去になじんでいく。事件らしい事件は起きない。こんな理解のある人たちに囲まれた田舎ならすてきだろうけど、現実はそんなに甘くないのではないかとも疑ってしまう。それでも季節の移り変わりを肌で感じ、自然の豊かさと厳しさの中で生きていく語り手を羨ましく思う。もっと早くこの著者を知ればよかったと、訃報を読んで後悔する。
読了日:6月14日 著者:稲葉真弓
祖さまの草の邑祖さまの草の邑感想
意外にも定型句の形をとる。しかし、それは童歌や民謡のように、地に根ざした言葉のリズムなのだった。「生死のあわいにあればなつかしく候 みなみなまぼろしのえにしなり」まぼろしであってもえにしはありがたいものです。
読了日:6月13日 著者:石牟礼道子
我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ! (講談社現代新書)我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ! (講談社現代新書)感想
詩単体で読むなら吉増剛造は好き。でも、こういう詩を書くのであれば、こういう形での自意識の発露は過剰な演出に見えてしまう。うすうすは気づいていたけど、今の自分には合わない詩人なのかも。気性の合う方にはおすすめです。
読了日:6月13日 著者:吉増剛造
苔の話―小さな植物の知られざる生態 (中公新書)苔の話―小さな植物の知られざる生態 (中公新書)
読了日:6月12日 著者:秋山弘之
石牟礼道子 (KAWADE道の手帖)石牟礼道子 (KAWADE道の手帖)感想
冒頭の全集未収録エッセイだけでも読んで欲しい。方言の豊かさというのは土地の歴史と人すべてを表す音であり、一人の文学者がどう逆立ちしても作り出すことのできない世界を呼び表すことができることばなのだと分かるはず。本書は石牟礼道子がいかなる人なのか、文学者や社会学者たちのエッセイが中心。わたしの場合は、もうちょっと本人の著書を読んでからとりかかるべきだったかとも思うが、逆に石牟礼道子について書く人の著書にも興味がわいた。
読了日:6月10日 著者:
ロストハウス (Young ros〓 comics DX)ロストハウス (Young ros〓 comics DX)感想
初版! 「あまちゃん」辺りの面子でこの頃の大島先生をドラマ化してほしいなと思う。個人的には中期の内の後期という位置づけ(後期は『グー猫』から始まる)で、この頃が一番好き。サバがいたころの孤独感と親愛感というのは、大島先生の最もすばらしい時期だと思います。クレイジーガーデンのような社会的に禁じられた戀愛について、「恋はニュートンの林檎」から更に進めてきた印象。『ハイペリオン』を読んだ後だから、「8月に生まれる子供」は感慨深い。
読了日:6月8日 著者:大島弓子
素数ゼミの謎素数ゼミの謎感想
イラストとわかりやすい文章で、数学が苦手なわたしにも「素数」がいかに蝉をサバイバルさせてきたか納得できる本。わたしが読んでいないだけだと思うのですが、このくらいわかりやすい理系の本がもっと増えれば、多くの人の苦手意識も克服できるのではないでしょうか。そして理系に限らず、文系の本も同様で、このくらい夏目漱石や「嵐が丘」を(誤解・思い込み前提で)図解・超訳するくらいのバリエーションを持つことが文学の豊かさなのかもしれないと思います。
読了日:6月7日 著者:吉村仁
セルバンテスまたは読みの批判 (叢書 アンデスの風)セルバンテスまたは読みの批判 (叢書 アンデスの風)感想
いつだって水声社の本はかっこいい。「みずからの書物の犠牲者であり、その死刑執行人である二人は、瀕死の秩序と生まれつつある冒険にまたがっている」スペインは狭い地中海にアフリカとの境をもつがゆえに、一時アフリカだった。アジアとの境はトルコが持つが、実はスペインも文化の境目で浸蝕を受けたために他のヨーロッパとは異なる多様性を持つことになり、ドン・キホーテの理想と現実の乖離の揺籃となった。『テラ・ノストラ』の副読本として、ヨーロッパで興った文学の起点を検証する類い希な一冊。
読了日:6月5日 著者:カルロスフェンテス
粘菌生活のススメ: 奇妙で美しい謎の生きものを求めて粘菌生活のススメ: 奇妙で美しい謎の生きものを求めて感想
南方熊楠も昭和天皇も愛した粘菌。美麗なビジュアルで白・赤・黄・青・紫と多様な種を見られるのが何よりすばらしい。背景には倒木の茶色と、苔の緑色。苔もかなりきれいに撮られているので、分かる人には種類までわかりそうな勢い。加えて研究者のいきいきしたエピソード(中学生研究者までいるのだ!)や、初心者向けの観察方法、粘菌がいそうな場所の紹介まで幅広い。ああ、ルリホコリ、金属としか思えない曖昧な青黒さは一度この目で見てみたい。
読了日:6月3日 著者:新井文彦
あの人の台所道具あの人の台所道具感想
とりあげられている作家をほとんど読んでいないので、編集した方々の熱意をすべて受け取れたとは言いがたい。だけど、昭和のいいものが今でもいいものだというのはよくわかる。麻ふきんは自分でも使ってみようと思うし、その使い方も引用されてわかりやすいのがいい。
読了日:6月1日 著者:

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