苔が世間的にアピールしない一番の理由は「見えない」ことだ。どんなに目が良くても一つ一つがあまりにも小さいので、アフリカに住んでいる視力4.0の人でも立ったままで苔の名前を当てることはできないはず。ましてめがねなしでは生きていけない重度の近眼であるわたしは、ルーペやマクロ撮影ができるカメラのお世話にならないと苔を認識することは全くできない。
苔観察に出かける時の装備は、
- ルーペ:Vixenの10倍
- カメラ:オリンパス「TG-3」
だが、ルーペの出番はほとんどない。カメラなら苔に顔を近づけることなく撮影できるので、観察が楽。ルーペは苔観察の基本らしいが、どうも苦手だ。まずめがねにくっつけないとよく見えない。次に、ウインクで右目しかつぶれないので、視力が悪い方の左目で見ることになり、これがなかなかのストレス。
そこに黒船とも言える携帯型顕微鏡「STV-40M」の存在を教わる。
今月のバイト代でこれかカメラのどちらかを買おうと思う。
うん。双眼実体顕微鏡だろうな。
でもカメラも捨てがたい pic.twitter.com/geoVx4EPXy— 狛狗 (@kuroikoke) September 4, 2015
顕微鏡は1万円以上が相場だと思い込んでいたところに、携帯型顕微鏡はわずか2000円足らずで買える! 買わねば! とわずか10分で決断。Amazonはあまり使うつもりはないのだけど、安い商品を送料無料で買えるというのはあらがいがたい魅力。
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勢いに乗って60〜120倍の方を買ってしまうが、苔観察にここまでの倍率が必要なのだろうか……、と一抹の不安を残しながらポチる。そしてAmazon先生、ボタンをクリックして12時間たたずに商品が到着した。すごすぎる。
単4電池1個で動く。かなりLEDの明るさが強いうえに明度を調整できないのは予想外。そのため顕微鏡の撮影にはカメラの設定を相当変更する必要があるが、肉眼で見る分にはすばらしい。1mm程度の大きさの苔の茎にできる繊維までくっきり見ることができる。
倍率が60〜120倍ということで、ほんのちょっと動かしただけで大きくずれるしピントも合いにくい。これは小学校以来のプレパラートの出番である。さいわい、プレパラートはとても安いもののようで、1枚5円で買えるらしい。こうなるとこれまで採取はしないようにしていた苔を慎重に採取するためにピンセットが必要だし、葉の断面を見るためには切断用の剃刀も必要だ。焼肉屋で肉を大量に注文したゴローのように、「うわぁ、なんだか凄いことになっちゃったぞ。」というのが現在の偽らざる心持ちです。
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