コケ観察会で未来のメモの取り方を発見した

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ロウソクゴケ
※ロウソクゴケ。コケという名前がついているが地衣類の一種で、むかしのキリスト教の儀式で使うロウソクにこれで色をつけたことに由来するそうです。

コケ植物のおもしろさに目覚めたのが3月くらいで、それからというもの一人で野山や公園を探索しては悦に入っていた。とはいえ、文系一直線で理系の調べ方や観察方法などはまったくの素人なので、ここいらで詳しい人に教えを請うておきたいと漠然とした不安を感じていた。そこに見つけたのが、中島啓光先生のコケ観察会@東京理科大学。

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東武野田線運河駅(初めて下りた)前に集合してぎこちなく会場に向かい、まずは1時間のレクチャー。コケ植物だけでなく、地衣類(菌類と藻類がタッグを組んだ生物)についても同じくらいのウェイトで説明を聞く。

その後、昼食時に見せていただいた海外の苔雑誌が大きなポイントの一つ。中島先生は汚染の調査からコケや地衣類に着目したとのことで、海外の苔研究書を複数所有されている。大気の汚染とコケの生育は大きな関係があるそうで、見せていただいた本の中では、チェルノブイリで生存しているコケや地衣類を調べて放射線量の体内濃度を測ったりしている。他にも、アフリカの砂漠で、海からの霧の水分だけをあてにして生きている地衣類がいるとか。おもしろそう!

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昼食後は観察会。木一本に複数種のコケ・地衣類がひしめきあっていたりして、専門的な解説を通すと世界が広がる感じを受けました。参加者とも会話がはずんでくるのがこのあたりから。予定の16時をオーバーして17時までしっかり見られてよかった。10月以降にも観察会があるそうなので、興味のある方はぜひ。

ゼニゴケ群落
※ゼニゴケ群落。雌器床(雌株)で、黄色いのは受精した胞子体。

ところで、観察会でおもいがけず新しいメモの方法を思いついた。それぞれのコケの説明を受けてメモ、その後に観察したり撮影したりするわけだが、数が多くなってくるとどのメモとどの写真が対応するのか分からなくなってくる。そのため、iPhoneの「Fastever」というメモ帳を使ってみた。これはメモした内容をEvernoteに送ってノートを作るアプリだが、メモする際に1クリックで日付と時刻を秒単位まで挿入することができる。

Fastever

一方、写真はPhotos(「写真」)アプリで見れば日時・分まで記載されている。

Photoアプリ

なので、説明を受けた順番と写真に撮る順番を同じにすれば、混同することもない。もっとも解説をきちんと書いて、しっかり観察していればそのような心配は無用かもしれませんが。ルーペとカメラを持つと両手がふさがるために手書きの手帳は厳しいと思っていたところに、我ながら予想外の発見に驚きました。もっともスマートフォンが常識で、毎日のように授業でメモをとる学生にとってはもしかしたらもう常識なのかもしれません。

レクチャーの中で、コケに関わる者として「コケを見つけられる目を持つ」というステップが紹介されていました。観察会を経験して、また「もっとコケを見たい」という欲が高まった一日であります。

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