読書会にご参加いただくにあたって

読書部
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こんな大仰なことを本当は書くつもりはありませんでした。個人がTwitterなどで知り合った方をお誘いしているようなこぢんまりとした会ですし、わたし自身は別に立派な大学を出たわけでも本業が出版社なわけでも何かに深い造詣があるわけでもありません。ただ声をかけて参加者が来てくださるから続いている会です。

これまでは参加者のご厚意に頼りすぎていました。わたしがまとめきれないところはフォローしていただき、活発な意見のやりとりはわたしがいなくても勝手に成立しています。だから、参加者の態度に甘えていたところは否めません。ご参加いただいている方にはいつも感謝しています。ありがとうございます。

しかし、まれに全体の対話が途切れてさせてしまう方がいらっしゃいました。これはわたしが事前に歓迎されるふるまいやご遠慮いただきたい行動をきちんと説明していないことが原因です。申し訳ありませんでした。

まず、前回dainさんに直接質問されたこともあり、どのような基準で選書を行っているかを。

選書基準

みなさんから読書会後に次回課題図書候補を教えていただくのですが、最終的にはわたしの独断です。最近は特にその傾向が増えていますが、独断とはいっても、参加いただける可能性のある方の興味を持てる本ということで、以下の基準で選ぶことにしています。

  • 比較的新刊であること
  • なるべく1冊(上下に分かれていない)
  • 一人で読むには荷が重いので、他に犠牲者を増やしたい
  • 上記の理由から海外文学が多い
  • 大多数が褒める本は上記の理由から選ばない

というわけで、海外文学が多いといっても、クレストブックスあたりは比較的みんな褒めるし、「苦行」になったりする本が少ないので選考対象から外れることが多いです。逆に多いのは河出書房新社、国書刊行会、白水社あたりでしょうか。過去の課題図書一覧はこちらから(最近追加していませんが……)

歓迎されないふるまい

えらそうなことをこれから書きます。本当にすいません。

  • 発言者の話を聞かない
  • 自分ばかりしゃべってしまう
  • 飲酒・喫煙

最初の項目は本当に大事なことだと思っていて、読書会に参加するにあたり、発言しないのはかまいませんが、他者の発言はきちんと聞いてほしいです。そこから引き起こされて対話が大きく転がっていくことこそが、読書会の意義だと信じています。

二つ目のしゃべりすぎてしまうというのは、相対的なものなので基準が難しいとは思います。とても個人的な判断になってしまい誤解を招くのを承知で、何度も参加したり、初めての参加でも信用できる人が、ある程度雄弁にしゃべることは歓迎されます。わたしの一存で、その読書会全体に有益であろうと判断します。この基準は独裁と言われてもしょうがないかもしれません。

一方で、初めての参加でいきなり他者を遮って自分の意見を主張する方には、申し訳ないのですが次回以降のご参加をご遠慮いただくことがあります。こう書くと一見は黙って見ていろと受け取られてしまうかもしれないのですが、決してそうではありません。発言していただくのは歓迎です。ただ、一人だけが発言する場所ではありません。参加者全員が参加者全員に発言の機会を与えてください。それは一つ目の「発言者の話を聞く」ということなしには成立しません。今後、もしちょっとしゃべりすぎだなとわたしが判断した方には、いったん会場の外で説明させていただきます。

喫煙は会場が禁止しているのでできません(会場によっては喫煙所があるかもしれませんので、開催中でも自由に退出いただいて喫煙するのはかまいません)。飲酒については、以前『重力の虹』読書会では場所柄もあり許可しましたが、基本的には二次会まで控えるべきというスタンスです(わたしも呑んでましたが)。飲酒も通常の会場ではメニューにないのでできません(休憩時間中に隠し持ってきたお酒を呑むのは……アル中なので病院へ)。

最後まで読まずに参加するのはわたしはやりませんが、他の方がそのようなスタンスでも「帰れ」とは言いません。ただ、それでは楽しくないのではないかと思います。

こころがまえ

さらにえらそうなことをこれから書きます。本当に、本当にすいません。

  • 自分の意見を大切にしてください
  • 世間的に正しい意見を発言する場所ではありません
  • 楽しく、わかりやすくお話ししましょう

「えらい人がこう言った」「解説書にこう書かれている」というのもある程度は歓迎です。しかし、そういうことばかり発言されるのであれば、わたしたちは解説書を読めばいいわけで、読書会を開く意味はないと思うのです。解説書やあんちょこを持ち込むなというのではありませんが、開催中はなるべく課題図書を見て、あなたが感じたことを発言してほしいと思っています。そしてその根拠を課題図書から引き出すことで、他の参加者もそのページを見て、各自が発言し、対話が発展していきます。そういう会にしたいと思っています。

せっかくのおもしろい意見、鋭い意見も、ぶっきらぼうにぼそぼそと発言されては、何を言っているか分からないし、聞いている方はいい気分ではありません。発言内容がよくても態度によって受け取る印象は変わります。ぜひ楽しんで、参加者にあなたのおもしろいと思ったところ、つまらなかったところを教えてください!

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