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コケカツ(122)『アルテミオ・クルスの死』

最初に読んだのは10年くらい前か、一人称・二人称・三人称を駆使して小説を書くことができるということにまず驚いた。それも単に雰囲気で使っているわけじゃなく、人称によって視点が変わる。その技術と実験的な精神に感服したことを覚えています。 8月...
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コケカツ(121)

通勤するよりも在宅の方が絶対自分に合っている。それは今も確信しているのだけど、それでも時々通勤して23区に足を踏み入れるのは勇気がいる。もう4月頃の一部だけが感染しているだけの状況ではなさそうだ。 こういう時、だいたい最悪のことを考えて自...
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コケカツ(120)プルースト美術館その1

光文社古典新訳文庫や岩波文庫『失われた時を求めて』では、有名な藝術・絵画を1ページ割いて紹介してくれる。これはこれで便利なんだけど、やはりカラーのものはカラーで見ておきたいし、文庫ではサイズが小さい。でも、PCや携帯でいちいち検索するのもめ...
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コケカツ(119)

緊急事態宣言が解除されて、一番不安なのは通勤。幸い、毎日電車に乗っているわけではないし、以前使っていた混雑する時間帯を避けているので、だいたい座って行き来ができている。 久しぶりに下りるまでずっと座れないときがあって、その時に気づいたのが...
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コケカツ(115)

部屋の掃除をして発掘された、1967年に編纂されたSFのアンソロジー『SFベスト・オブ・ザ・ベスト(上)』を読んでいる。「ベスト・オブ・ザ・ベスト」とうたうだけあって、当時の最高のSF短篇集だし、50年以上たった今でもおもしろい。 時代...
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コケカツ(113)

去年の本屋大賞受賞作を読んで、前半ものすごく好きなのに、後半一気に楽しくなくなった。なんでだろう? 前半は親が事情によって家から出たり入ったりして、主人公の子どもが軸になっている。家庭のあり方が一様ではないというところがすごく良くて、...
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コケカツ(112)

『失われた時を求めて』はついに光文社古典新訳文庫版に追いついてしまった。2年に1冊くらいのペースで出ているようなので、うまくいけば今年あたりに7巻が出るかもしれないけど、待つことで今のプルーストを読める流れを崩したくない。 だから岩波文庫...
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コケカツ(109)

アルベルチーヌに出て行かれてしまった私の画策はすべて裏目に出る。 「私に会いたいなら自分で来なさいよ」 まったくの正論をぶつけられて、それでも直接は行かずに手紙を出す。またこれが、どうしてこうなるの? と首をかしげざるを得ない文面で、ひ...
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コケカツ(108)

現行の光文社古典新訳文庫版『失われた時を求めて』を6冊まで読み終えて、次はどうしようとアンケートをとったら全部読めって言われた。 まったくみんな、人ごとだと思って。 光文社古典新訳文庫のプルーストがあと1巻で読み終わってしまうのです...
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コケカツ(107)

『プルーストを読む生活』1の時はあっという間に読み終えて、ああこういうふうにプルーストに向き合うことができるのはいいなあと感心しきりだったのだけど、『プルーストを読む生活2』は急いで読まないように1日数ページに抑えている。おもしろさが過ぎ去...