コケカツ!(1)

クジャクゴケと蒴 Bryophytes

コケカツ!とは野山に分け入ってコケを見ること。撮るだけで採らない。

2019年11月24日に開催された文フリに参加しました。友田とんさん(SSLいれよう!)のお手伝いで2時間ほど店番をしただけなのですが、出展者・参加者の人たちの熱意に圧倒されました。人が多いところが苦手なので、こういう祭りめいたものは敬して遠ざけてきたのですが、行ってみて分かることもあります。小説とかエッセイとか、ISBNふられて書店で売られているものだけで星の数ほどあるから、同人誌まで手を出しても読まないで終わるだろうと。

文フリでは「2冊まで」という厳しい掟を課していたので、なんとか財布を守り抜くことができました。柿内正午『プルーストを読む生活』と版元ひとり『natto1 この納豆がすごい!』
文フリで買った『プルーストを読む生活』と『natto』
柿内さんの文章はfuzkueや友田さんに影響されつつも、至る所から頭いい感じが滲み出てくる(あたまわるい文)。他人からの影響を素直に取り入れて咀嚼して自分の文章に反映できるのはすごいなあと感心する。こういう文章は簡単に書けるように見えて書けない。文中ではルールを決めてルールを守った文章を書く、なんてさらりと書いているが、なかなかできることではない。

友田さんや柿内さんの文章を読んで思うのは、すばらしいわたしを見て!って感じじゃないことだ。自分の目に映ったり体験したことをいかに切り取るかに専心している。で、いいものを素直にいいと評価するところがいい。わたしは他人を素直にいいと褒めることが全然できない。編集者の性だからという言い訳のもとに、ずっと批判するポイントを探してきたように思う。「意外」を「以外」とした誤字など、すっごく気になる。だからこそできた仕事もあるけど、だからこそ逃がしてきたおもしろさもたくさんある。

でも、一番逃がしてきたのは、自分を批判する心によっておもしろいことを書くことができないと思い込んでしまったことだ。これからは自分を批判する心を押しとどめて、ただコケカツについて書いていきたい。高校の生物の授業をさぼって芝居の台本を覚えることに費やし、文系大学で留年して麻雀ばかりしていたわたしのことだから、生物学的にまちがっていることはいっぱいあると思う。それでも苔がある世界がいいと思うから書く。明日から書いていきます。

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