第63回読書会ウィリアム・ギャディス『JR』

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2019年最初の読書会は、実に900ページを超えるウィリアム・ギャディスの大作『JR』。内緒ですが、申込後に読了を断念する方も現れたくらいの難物です。通勤電車で読み続けた結果、体を壊す人もいたくらいで、質量は1kgを越えるとか。まじやば……。

有志(というか勇姿)の方がWikiを作ってくれました。
ウィリアム・ギャディス『JR』読書Wiki
また、以下の写真を見て分かるとおり、半数以上の人が付箋をびっしり貼っています。登場人物が多いことに加え、全編会話文のために誰が喋っているか分からない、さらに筋の通った話をしようとすると誰かに遮られる。質量ともにサディスティックな本に、参加者たちはどのように翻弄されたのでしょうか。

いつものように、参加者からのコメントです。ちなみに今回は読了していない人の数、過去最高でした(ふつうは全員読了してきます)。あと、
ネタバレを含みますのでご注意ください。
もっとも、ネタバレを気にするどころではなく何が起こってるか分からないところも多いです……。

  • ローダの来歴を話すところが一番。Theギャルなのに過去の挫折が印象的
  • 読みやすいのに読み続けられない
  • 会話途中の描写で時間・場面が変わるところがいい
  • 最初の文体になれるのがつらい。登場人物が誰なのか分かるまで時間がかかるが、P.650くらいから話が進む
  • アメリカの縮図のよう。小さなコトを組み合わせて大きなコトを動かせる
  • ラブが絡むとゆったり喋るので分かりやすい
  • JRが電話でやりとりすることで責任が間接的になってしまうので、倫理観が暴走して悲惨になっていく。ハイド父がつかまったところで、危険性をJR、読者ともに意識する
  • 当初は見えない人物関係がつながっていくところがおもしろい
  • JRがひたすら喋っるモードに入ると、話を聞かずにJRにとっての理想ばかり語るところが○○エモンぽい
  • 「本当のアメリカ」がキーワード。本当のアメリカを書こうとしたのでは
  • JRはサイコパスで、税金逃れをひたすら追い求めるところが○○ザップぽい
  • 最初にして最厚の「なろう小説」
  • JRの口調がテンポ良く登場するのが楽しみだったが、出てこない間はつらかった
  • 全体に芸が細かく、伏線の回収や口調に個性が出るなど、台詞の多様性がおもしろい
  • JRに倫理・道徳がなく「法律を破らなくてもなんでも手に入る」と言うあたり、規則と勢いで世界を動かしてしまう
  • 註はちょっと多い。
  • 登場人物表や註は取り外せるとよかった(1万円を超えそう……)
  • 地図は使いどころがなかった(本文と註と登場人物を追っていると地図まで手が回らない)
  • ピンチョンと似た滑り芸。笑いどころがいまいち分かりにくい
  • 場面の切り替えがシームレスなところは映画を彷彿させる(「バードマン」)
  • 会話文なので、脳のちがうところを使っているのではないか。聞くことだけに集中できないことがおもしろいけど途中でやめたくなってしまう原因かも

参考図書として、『(株)貧困大国アメリカ』もあげられていました。

次回はわたしではなく、ふくろう先生によるトマス・ピンチョン『重力の虹』読書会リターンズが5月に開催されます! ひぃっ、文学変態多すぎでしょ、Holy…

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