第61回読書部ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』

読書部

まずは各地の書評を。

角田光代@All Review
山崎まどか@BookBan
小俣鐘子@読書人:「勤務先のNPO団体では、自らが発案した護身術エクササイズのDVDの売れ行きが上々で、同僚との関係も良好。」えっ?
未翻訳ブックレビュー:「The first bad man」のmanはhumanとしてクリーを指すという視点はなかった。
諸田玲子@Asahi.com

続いて、参加者からの第一印象。
ネタバレがありますのでご注意ください。

・オチあるんだ!?
・エピローグはラ・ラ・ランド

・くすぐりが多い(特に前半)
・ふつうの人の感性だとそこではないというところに注意力が向いている
・押しつけたストーリーがそのままでは保てないので、自分が変わっていく
・出産前後は絵が目に浮かぶような描写
・前半は空想と現実の緊張感(暴力のシーンで最高潮へ)でおもしろくなるが、後半は平坦に終わっていく
・年齢を気にしすぎ。自分たちの周りの時間を気にしている描写が多い
・彼らがこの場面に至るまでどのように生きてきたかが分からない(演劇的な割り切り)
・綿矢りさ『勝手にふるえてろ』に似てる

・序盤はフィリップとクリーのどちらにいくのか読めないけど、クリーと暮らすことが驚いた
・全体に不安定で居心地の悪い感じの理由は、バイアスをもった人たちしかいないから(例:庭師を引き続き雇う:前の持ち主よりも心が狭いと思われるのがいや)
・作家に「出産の後に書くものは変わるか」という質問はくだらないけど、読者としては知りたいし、本作はそのアンサー。妊娠出産の肉体変容が経験することで書くことは変わるのでは? だけどミランダ・ジュライはそこから距離を置きたいはず
・人はそれぞれの台本を持って生きていくというのをシェリルが気づいていく
・暴力という身体性と、育児という身体性の対比
・ルース=アン先生のところがとてもよかった。お金を払って対等の立場になることが実は一番大事だったのでは
・フィリップが気持ち悪い。もっとひどい目にあってほしい
・ルース=アンとデヴィッド・ボウイを歌う下りは泣ける

描写が明瞭で登場人物も限られていることから、状況を把握しやすい・話しやすい物語でした。

あと、毎回参加者に最近読んで良かった本を聞いているので、列挙します。













次回読書会は12月15日(土)、課題図書は現在Twitterで募集中です。

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