苔をたずねて三千里

苔の写真を撮り、海外文学を読んでいます。

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岡山コケの会観察会@鎌倉に参加しました

投稿日:2018年5月15日 更新日:


日本の首都は東京ですが、コケの世界における日本の首都は岡山かもしれません。歴史的にはいろいろな大学でコケの研究が行われてきましたが、岡山で一般の人がコケについて学ぼうとしたことが「岡山コケの会」の発端だったようです。

1992年10月に、コケ屋の親睦と情報交換、またコケ知識の普及と研究の支援を目的として、岡山在住の日本蘚苔類学会会員を中心に、発足しました。

岡山コケの会に記載されている通り、コケに興味がある人ならどなたでも入会可能です。岡山だけでなく東京でもコケに関する知識を集めたいとする人たちによって、岡山コケの会関東支部が発足し、年に数回観察会が行われています。今年の観察スポットは鎌倉で、折しも鎌倉苔展が行われている真っ最中。参加者は会場の苔むすびに集合して苔展を堪能してから、観察会へ出発です。ご案内は蘚類に詳しい木口先生。

鎌倉苔展では関西からMosslight-LEDがやってきました

鎌倉苔展では関西からMosslight-LEDがやってきました

観察スポットは鎌倉の中心地から離れた朝夷奈切通。わたしも以前行ったことがあり真夏の蚊と脱水症状で散々な目に遭いました。今回も5月半ばですでに蚊が出ていましたので、虫除けスプレーは早いうちから必須なようです。

朝夷奈切通

朝夷奈切通

バスを下りてからすぐにみんなで壁に張り付きます。壁にいるのはホソオカムラゴケ(Okamuraea brachydictyon)。各自ルーペやカメラで調べつつ、先生が携帯顕微鏡ファーブルを取り出して細かい部分まで見えるようにしてくれます。加えてホワイトボードに特徴を書いてくださるので、図鑑などで分からないところを丁寧に解説してもらえるのがありがたい。図鑑だと野外で見る時の話と顕微鏡で見る時の話の両方が並列して書かれているので、自分の状況に応じてどれが必要な情報なのか見極める必要があり、それが往々にしてまちがっているのです。1人だと分からないことも、先生のイラスト付き解説があるととても分かりやすい。とはいえ、蘚類の、特にアオギヌゴケの仲間や近い種類は教わっても見分けるのが大変。葉の細胞の出っ張りが上にあるか真ん中にあるかで識別するとか、顕微鏡がないと無理です、というものも。

廃仏毀釈で顔が削られた観音様の近くにはエビゴケ

廃仏毀釈で顔が削られた観音様の近くにはエビゴケ

徐々に緑が濃くなって両脇の岩がせり出してきます。ここが朝夷奈切通。ここでは関東の石灰岩地域に特有で絶滅危惧種I類のダンダンゴケ(Euclαdium verticillatum )を見ることができます。絶滅危惧種とは思えないほど壁一面にびっしりと生えていますが、神奈川や千葉、福岡の一部でしか見つかっていないのです。ちなみにダンダンゴケの「ダンダン」は葉の周囲がダンダンになっているせいだとか。ポンポンゴケとかゴロゴロゴケとかかわいい名前の苔が増えると覚えやすいかも。

壁一面にダンダンゴケ

壁一面にダンダンゴケ

朝夷奈切通の奥には熊野神社があります。ここで昼食休憩。灯籠の下部にはこのあたりに目立つエビゴケのほか、ツボミゴケの仲間などもいて苔類派のわたしは大興奮。さらにオレンジ色のマメホコリ(Lycogala epidendrum)らしき変形菌も。鎌倉の駅周辺からバスで10分程度と想像できないくらい豊かな森で、一日中いても飽きませんが、残念ながらこの日は昼過ぎから大雨に変わり、ほうほうの体で駅へ戻ることになりました。3月は大雪、5月は大雨と、最近のわたしは雲を引き連れてきてしまうようです。

熟したものとフレッシュなもの両方ともマメホコリ?

熟したものとフレッシュなもの両方ともマメホコリ?

アブラゴケだと信じていたのにツガゴケだと知るショック:これは先細っているのでアブラゴケ

アブラゴケだと信じていたのにツガゴケだと知るショック:これは先細っているのでアブラゴケ

普段見ないコケに着目してじっくり見て・学べるオカモス観察会、これからも回数が増えてより多くの人が参加できるといいなと思います。

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