苔をたずねて三千里

苔の写真を撮り、海外文学を読んでいます。

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ジェームズ・W・ヤング『アイデアのつくり方』は50年たっても色あせない名著

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Webサイトを更新しようと思っても、ついつい後回しになってしまう。仕事や毎日の家事を優先してやってしまうと、記事を書く余力が残っていないのだ。だとしたら、先に記事を書いて後で仕事をすればいい。何年もサイトをやっていてようやくそのことに気がつけたが、続けられるかは別の話。仕事よりも先に手を付けることが肝心だと思うので、地道に毎日続けていきたい。帰宅するとお酒を呑んでしまうのもダメなポイントだが、こればかりは改める気持ちはさらさらない。

赤い酔星。

海外文学や苔がこのサイトの中心だけれども、日本酒やビールは毎日のように呑んでいるし、料理はストレス解消になるほど楽しく作っている。そういうことも気軽に書いていけるようになりたい。本も海外文学より和歌や詩について読むことが多くなっている(ただし、理解したり大きな感銘を受けたりすることは少ない。理解したい、感動したい気持ちが先になっていて、髄という部分を捕まえることはまだまだできそうにない。詩は自分で作らないとおもしろさが分からないものなのかな?)。あと、仕事に関してはずっと自己流なので、本から学ぶことも多い。最近読んだ本で特に良かったのは一部には古典的名作と称されているジェームズ・W・ヤング『アイデアのつくり方』。Webデザインやディレクター界隈で取り上げられることが多いように思うけど、けっこう古い本が今の時代に通用するのかと半信半疑でした。

本文は65ページ程度しかない短いもので、内容も
(1)資料を集める
(2)資料を咀嚼する
(3)資料を組み合わせる
(4)アイデアの発見
(5)アイデアのチェック
をごくシンプルに書いているだけ。それでも、この流れにきちんと乗らずに(4)アイデアの発見にいたろうとする無謀な考え方をよくやってしまう。

「(1)資料を集める」にしても、どれだけ集めれば正しいアイデアにたどり着くのかは分からない。自分の蓄積がそれなりにあれば少しの資料で済むのかもしれないけど、自分の蓄積を信じられなかったらいつまでも資料を集めてばかりのような気もする。その結果、資料を集めることが目的になって(2)資料を咀嚼するの時間が足りなくなるかもしれない。

多過ぎてもいけないし、少なくても足りない。本書とその解説では、資料をごはんに喩えている。ごはんの材料を集めないことには食事をすることはできないし、ごはんを咀嚼(2)して、ごはんを消化(3)しなければ、人間として活動(4)することができない。さらに毎日マクドナルドばかりでは栄養が偏るので野菜もちゃんと摂取しているか確認しないと(5)いけない。アイデアは人間のようなものと考えると、(5)はさらに独り立ちしてアイデア自体が学んでいく過程と捉えることになるようだ。せっかくのアイデアを箱入り娘のようにしまいこんでおいては独りよがりなもので終わってしまいがちなので、できたアイデアは形にして人の目に触れるようにする。それによって少し恥ずかしいところもあるけれど、くり返していくことで羞恥心は消え、形になったアイデアが独り立ちしていく様子を見ることができて、その方がずっとうれしくなるようだ。

出版や編集に携わってしばらくたつけれども、わたし自身は本をものそうという気持ちがあまりなく、読むこと一辺倒で過ごしてきたが、こういう本を読むと自分でも何か形にしたいという気持ちが湧き上がる。誰かの役に立つようなものになればいいのだけど、今のところは仕事で使うにとどめる感じ。いずれ苔の写真はまとまった形にしてみたいけど……

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