『コケの生物学』(研成社)は難しい! でも、苔をもっと知りたい人は必須

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コケの生物学

苔に接するようになって分かったのは、資料がとても入手しづらいこと。文学関連だと過去に研究している人がたくさんいるから学会も複数あったり冊子になっているものもたくさんある。苔はそもそも書籍自体がとても少ないし、苔玉を初めとする園芸の人と、苔観察を重視する人と大きく2つに分かれるように思います。初心者向けの本はたくさんあるけれども、研究結果がまとめられた書籍となると平凡社の図鑑や中公新書『苔の話―小さな植物の知られざる生態』など、数えられるほどしかありません。現時点で新刊・古本含めて苔関連書籍の情報が一番まとまっているのはkokeiroさんのところ。栽培を含めるとモス・プランさんの掲載情報も豊富です。

関係なくイクビゴケ

そんな状況で新たに1冊の研究書が発行されました。北川尚史『コケの生物学』(研成社)は雑誌「プランタ」で連載されていた内容をまとめたもので、2017年1月中旬に発行されました。この「プランタ」という雑誌、調べてみるとなかなか見つからなくて、国会図書館を含めて都内でも数カ所にしかない。2016年にやり残したことの1つが「プランタ」に掲載されていた「コケの生物学」を全部コピーすることだったので、今回の発行はとてもうれしい! 国会図書館に通ってコピーをとっても、コピーをとったことに慢心して読まないことが多々あるのです。また、コピーのA4用紙は保存や閲覧も書籍のような取り回しの良さがありませんので、書籍化は本当にありがたいことです。一般の書店では販売している場所が少ないので、某Web書店で注文。書店で注文した方がいいのはわかってるけど、3週間かかるとか言われると躊躇ってしまいます。

北川先生は服部植物研究所のプロフィールによると昭和10年生まれ。苔類が専門でウロコゴケやミゾゴケの世界的権威だそうです。2016年1月に亡くなられてちょうど1年。『コケの生物学』は苔はどう進化してきたか、苔の生物学的な位置づけなど、単に観察してきただけのわたしには生物学の専門的な知識を要求されていてけっこう難しい。でも、雑誌には掲載されていない情報もあるらしいので、ちまちま繰り返し読み進めていきたいと思います。

苔の論文を読むならHikobiaが入手しやすくなればいいのですが、都内だと国会図書館か国立極地研究所くらいにしかないのが残念。国立科学博物館の図書館は筑波なので、アクセスが大変だし……。買うのはちょっとハードル高いんですよね(1冊4000円)。なんとか入手しやすくなることを願います。

わたしくらいの普通の人ならそんなに目くじらたてて論文を追いかける必要もないと思うので、CiNiiで公開されている蘚苔類研究日本蘚苔類学会会報を眺める程度で十分楽しいです。ただ、論文ごとにPDFが分かれているので、どれを読んだか忘れてしまうんですよね……。1巻分まとまったPDFがあったらいいのに、というか自分で結合すればいいのですが。

なお、書籍化されている本でちょっと研究よりなのは、以下の3冊が書店でも入手可能だそうです(某苔メールマガジンより)。この3冊があれば苔の基本はマスターできるのかも。

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