神奈川県の最乗寺で苔初め

Bryophytes
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JR小田原駅の観音様を横目に見ながら小田急大雄山線に乗り換えると、箱根への線路とはちがった風景が続きます。意外と言っては失礼ですが、のどかな街が続き、田舎の風情を残しながらも人々が生活している街が多い。途中の駅名にもなっているように、工場が多いせいかもしれません。新年の苔初めとして選んだのは大雄山線の終点駅からバスで10分ほどの曹洞宗最乗寺。数年前にここから明神が岳を越えて箱根へと登山で訪れたことがありました。梅雨のじめじめとした汗が止まらない季節で注意散漫でしたが、うっすらと苔があったような記憶を頼りにチャレンジしてみます。

小田原といえば風祭駅の鈴廣! えれんなごっそ夜間営業再開してほしいです。

どこかで冬の時期はバスが走らないと見た記憶があったのですが、年始でたくさんの参拝客が訪れることもあり、ふつうどころか増便していました。バスはないものと思い込んでいたので、小田原駅で発売しているバスの料金込みチケットを買い損ねてしまい、少し高くついたのは誤算です……。

大雄山駅前バス停

参拝客はバスだけでなく車でも多く訪れます。駐車場はそれほど広くないため、途中でかなりの混雑が見込まれると乗車前に説明がありました。案の定、一つ手前のバス停で立ち往生となり動く気配が見られないため、すかさず下車。徒歩で最乗寺を目指すことにします。混雑しているのは避けたい……と思い、丸太の森公園方面の道に入ってみます。けっこう急な坂で地面は霜解けのせいかかなり湿っています。山道はしっかり作られていて道ばたに苔があります。苔類もそれなりにいるのがうれしい。ムチゴケやホソバオキナゴケを初めとした低山の苔がそこここに見られます。地面にはツルチョウチンゴケやハイゴケの仲間などが中心。

丸太の森入口。でもたどりつかなかった

ツルチョウチンゴケ。葉っぱの長さが分かりやすい

今回は最乗寺周辺という目的なので、丸太の森公園には行かずに道を曲がったところ、たいへん歩きにくい場所に出てしまい、山道なのになぜか水浸し(寺からなんらかの水が流れているらしい)の中を歩いたり。しかも苔はあまり代わり映えせず、いくら歩いても同じような種類しかいない。そうこうしているうちに最乗寺が見えるところにたどり着くものの、杉林ばかりで苔感は0。こうなったら上まで行くかと本腰を入れます。奥の院にお参りしてから、きつめの勾配を上っていくものの全然苔感は増えない。林道に出るとコンクリートにつくタイプのコツボゴケやハマキゴケがいたり、下りるのが躊躇われるくらい下の川石には苔がありました。でも3時間以上ほぼ登りばかりなので体力的につらい。

おなかの葉が白さと大きさからたぶんムチゴケ。ムチはなんの役目なんだろ?

奥多摩だと石灰岩につくムチゴケがここでは樹幹を主の住処にしていました

見たことのない苔類もいくつかいて。このウロコゴケは葉先に数本の棘(鋸歯)があって、大きさがまちまちなところからツクシウロコゴケだと思うのですが、平凡社の図鑑には写真はあっても詳細がないのでした……。ふつうにいる種類らしいです。この日はピンセットを忘れてしまって、腹側をきちんと観察できなかったのがとても悔しい。

ツクシウロコゴケだと思うのです

こちらも今まで見たことのない苔類。葉はきれいな楕円形で樹幹にぴったりとくっついていました。これも腹側を見られれば良かったのですが……。なんとなくヤスデゴケの仲間かと思っていますが、ヤスデゴケは褐色のものが多いのでちがうかなー。

謎の苔類

細胞一つ一つはちょっと大きめ

結局時間ぎりぎりまで上ってもたいしたことはなかったので、最乗寺に向けて下山。土が滑りやすいのでカメラをぶつけないように慎重に下ります。45分くらいしてようやく麓へ。最後の階段を下りるとすぐそばにこれまで見られなかった苔の楽園が! ヒノキゴケやホソバオキナゴケなどが樹齢100年以上はまちがいないと思われる太い杉の根元にびっしりついています。登った意味がなかった……。

樹幹につくヒノキゴケは初めて

電車でのアクセスはいいし、最乗寺内の苔感は抜群なので、初めてじっくり観察しようとする方にもいい場所だと思います、登りすぎなければ。

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