苔をたずねて三千里

苔の写真を撮り、海外文学を読んでいます。

Bryophytes Microscope

苔観察には3段階ある。肉眼、ルーペ、そして……とうとう第3ステージに進んでしまう

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苔観察には3つの段階がある

上野にある国立科学博物館では、毎週末「研究者によるディスカバリートーク」という講義が行われています。こちらで2ヶ月に1回の割合で苔界の第一人者樋口先生が「コケの生き方を考える」というテーマで解説をしているのです。不幸にも第2回を聞き逃してしまったのだけど、第1回と第3回を聞きに行って、それぞれタマゴケのタマちゃんと、コケモンカード(非売品)をいただきました。苔界では平凡社の図鑑と並ぶ必須アイテムです。

非売品のコケモンカード

非売品のコケモンカード

その中で、「顕微鏡は1家に1台必要です。自分が使わなくなっても子孫代々受け継ぐことができますから、ぜひ買ってください」とおっしゃっていた。なるほどー、子孫いないけど買うか。

なぜ顕微鏡が必要なのか

顕微鏡なんてふつうに苔を見る分には全く必要ないアイテムであることは確かで、正直に言うと苔の種類にこだわりすぎることは愛好家の裾野を広げることの邪魔につながると思っています。ふつうに苔を楽しむ分にはスギゴケという種類がわかればよくて、別にコスギゴケでもウマスギゴケでも「スギゴケ」と称して構わないと思うのです。知りたい人がいればその先に進んで蒴や葉の形を詳細に見ればいいけれど、肉眼で識別できるのはどんなに目がよくてもたかが知れています。

コスギゴケかヒメスギゴケかわからない

コスギゴケかヒメスギゴケかわからない

そういう苔観察は楽しいけれど、肉眼やルーペでは限界があります。どうしても細胞レベルの形や大きさを見ないことには正確な名前を知ることができません。そして、個人的な目標として「日本に存在する全ての苔類の写真を撮る」というのがあり、そのためには細胞レベルにまでこだわって観察する必要があります。このあたりは楽しみ方の差であって、苔を愛する人全員が顕微鏡レベルまで極めるべきとは思っていません。

肉眼でも苔の林がきれいに見えます

肉眼でも苔の林がきれいに見えます

どの顕微鏡を買えばいいのか

顕微鏡を買うと決意してから2ヶ月くらいは調べました。ある場所によるとオリンパスニコンのような大手メーカーが出した昔の顕微鏡で十分だといいます。とはいえ中古を買うとなるとオークションくらいしか思いつかないので、顕微鏡の詳しい状態がわかりません。カメラを手にして初めて知ったのですが、湿度が多いところで適切に管理されていないとレンズは黴びるのだそうです。顕微鏡も同様で、おそらく実験施設や学校などからの払い出し品となると管理状態はあまり期待できないように思いました。

苔の観察にはおよそ1000倍の機能が必要といわれ、安価な実体顕微鏡では細胞レベルの観察はできないと聞いたことがあります。必要なのは生物顕微鏡なのですが、これがすごく高い。NIKONの顕微鏡は最大720倍で85000円、オリンパスにいたっては値段は一切書かれていません。こういう有名な企業は個人に売るつもりはなさそうです。そのため、別のメーカーから探すことにしました。

他の生物顕微鏡を扱っているメーカーは、

  • レイマー
  • 島津理化
  • カートン光学
  • 誠報堂科学館:AmScopeというアメリカの顕微鏡を輸入販売しているようです。
  • ケンコー・トキナーは顕微鏡とうたっていますが、子供向けが中心で倍率が足りなさそうです。中野にショールームがあるので、気になる方はプレパラートを持って行けば顕微鏡を貸していただけるそうです。
  • 買ってしまった顕微鏡

    いろいろ迷った結果、決め手はやはり価格。全くどこでも評判になっていませんでしたが、Vixenの「FM-1200L」にしました。

    通常価格は10万円近いFM-1200Lですが、11月末にAmazonで調べたら半額近い55000円くらいまで安くなっていたのです! この安売りはいつまで続くのだろう……? 怪しみながら毎日チェックしているうちに「Amazonのセール(12月上旬)に合わせて安売りが終わってしまうかもしれない……、今のうちに買わないとまたどの顕微鏡を買えばいいのか悩む日々がやってくる。ならば今のうちに……っ」と決意してポチー。

    Vixenの顕微鏡

    Vixenの顕微鏡

    ファーストインプレッション

    まずびっくりしたのが木箱。顕微鏡ってまだ木箱に入ってるんだ! もちろん鍵付き。鍵を回してご対面、しかし出そうとしても出てこない……? 10分くらいいじりまわしてようやくわかったのは、木箱と顕微鏡はねじ止めされていたのです。マニュアルに書いてないよ……。壊す前に気づいてよかった。

    とりあえず近所に生えているコホウオウゴケと思しき種の葉を見ることができました。高倍率のレンズで一発で観察するのはとても難しく、レンズと観察対象の場所がほんのわずかにずれているだけでも見えません。ひとしきりいじってわかったのが、低倍率だと広い範囲を見ることができること。まずは低倍率でレンズの中央に観察物を合わせて、それから高倍率に変えていくようです。そんなこと習ったっけ……?

    たぶんコホウオウゴケ

    たぶんコホウオウゴケ

    今後の顕微鏡とのつきあい方

    常々、インターネットには苔の写真が少ないと思っていました。もちろん美麗な写真を掲載しているサイトもあります。でも、苔を見る人が増えるためにはとにかく敷居を低くしなければいけないと思うのです。いきなり平凡社の2万円する最高の図鑑を買うのはハードルが高い。それと同じで、なんとなく苔が好き、苔苔言ってるけど苔って何さ、という人にとって新しい景色が見えるようなサイトにしていきたいと思っています。

    なので、苔観察に行ったら数種類拝借して、自宅で顕微鏡写真を撮り、身近な苔も珍しい苔も顕微鏡で見たらこうなる、という画像を掲載していきたいと思っています。というのは建前で、自分の写真技術がへたれなので顕微鏡というマシンに頼りたいだけなのかも。近所のギンゴケから山奥の苔類まで、見られるものからゆっくり顕微鏡で観察して、苔のおもしろさを掲載していきたいです。

    ラジエーターぽいウロコゴケ

    ラジエーターぽいウロコゴケ

    ↑も持っています!

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