苔観察日記 富士山五合目その1

Bryophytes
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登山をしていた頃から富士山には登りたくなかった。当時は世界遺産になるかならないかという時期だったけど、日本人も海外の人もとにかくたくさんで、登山と言うよりは混雑する観光施設。見たい展覧会でも混んでいると諦めてしまうくらい熱意の低いわたしにとって、登山という苦行を混雑した場所で行うというのは拷問に近い。

そんなわたしが富士山。今回は上野先生が主催する苔の旅に同伴させていただきました。五合目とはいえ亜高山帯に属する場所なので行くまではいろいろ心配していたけど、実際にはかなり快適。

  • 気温 → 昼間に土産物屋で見た時は20度(10月上旬)。夜もフリースとマウンテンパーカーで十分
  • 食事 → 奥庭荘はけっこうおいしいし、2日目の弁当を用意してくれる(800円)
  • 混雑 → 五合目付近はスニーカーでも行ける観光地なのでそれなりに混んでいるけれども、奥庭荘や三合目へ至る道は人がほとんどいない

ということで、結論から言うとかなり快適。ただ、水が慢性的にないというのは驚いた。ポリタンクの水から顔を洗ったり歯を磨いたりすると、水の減る量が実感される。東京にいると漫然と使ってしまう水がとても貴重に感じられる。ところで、そんなに貴重なのになんで「富士の名水」とかいうのかしら。

富士山五合目の奥庭荘

富士山五合目の奥庭荘

洗面所

洗面所

亜高山帯なので、7月に行った北八ヶ岳と同じ種もあり、異なる種もあり。特にうれしかったのはウチワチョウジゴケを見つけられたこと。ウチワチョウジゴケはキセルゴケ属で、属名のとおりキセルのような形をしている。胞子が出るところがキセルの先、たばこを詰める場所にあたり、形がおもしろい。すごく小さくて全体でも小指の爪より小さいくらいだけど、蒴が大きいので見つけると印象的。今回は群生しておらず岩陰に少しだけ生えていたので、見つけられたのは運が良かった。

ウチワチョウジゴケ

ウチワチョウジゴケ

樅の林にも見えるダチョウゴケ

樅の林にも見えるダチョウゴケ

シッポゴケのなかま

シッポゴケのなかま

秋の蒴

秋の蒴

直射日光の当たる場所に生えるヤマコスギゴケ

直射日光の当たる場所に生えるヤマコスギゴケ

サイズ感がマキノゴケに似ているツメゴケ(地衣類)

サイズ感がマキノゴケに似ているツメゴケ(地衣類)

枝にぶらさがるサルオガセ(地衣類)

枝にぶらさがるサルオガセ(地衣類)

当日は雨の予報だったけれども、結局1滴も感じることなくどんどん晴れて夜には快晴に。日差しも出ていたから快適な気候だったけれども、遮るものがない中腹では雨風があったらどれだけ大変だろうと空想の中で苦労しながら歩きました。

富士山には雲がかかったり晴れたり

富士山には雲がかかったり晴れたり

初日は亜高山帯の生態系で、2日目は五合目から三合目まで下りていくことで、亜高山帯から通常の森林に変わっていく様子が見られるはず。楽しみにしつつ就寝。

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