苔をたずねて三千里

苔の写真を撮り、海外文学を読んでいます。

Bryophytes

東京には苔がない だが温室には苔がある

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苔をおもしろいと思ってから初めての冬だ。春・夏・秋と思い立てば自然の苔を見てきたけど、冬はちょっと事情がちがう。

苔は大気汚染に強いハマキゴケやジャゴケなどを除くと、都心にはあまり生息していない。変わった苔を見ようとするとどうしても奥多摩や高尾山まで行く必要があるのだけど、高尾山はミシュラン三つ星とかですごい人出になっており、休日にぼんやり苔を眺めていようものなら6号路の川に足を踏み外しかねない。奥多摩は雪が降ったら苔どころではないことを実感したばかり。冬に苔を見たい場合はどうすればいいのかぼんやりとした悩みを解決してくれたのは、まったく何の期待もせずに入った温室だった。

場所は新宿御苑。大きな温室があり、2014年にリニューアルオープンしたばかりだが、明治8年から続く歴史がある。寒さに震えながら入ると、眼鏡が曇るくらいの温度と湿度。「温室」というくらいだから暖かいのは当然だが、ダウンジャケットとマフラーだと汗をかくくらいの室温だ。

新宿御苑温室

新宿御苑温室

温室内に開く鮮やかな色彩にびっくり。当たり前だけど、苔よりも派手で大きい。南国ではこんな花が日常にあるのかと思うと、普段の色彩感覚も日本とは変わってくるのかもしれない、と思う。

オオベニゴウカン

オオベニゴウカン

苔を見るようになるとつい植物の根元をチェックしたくなる。すると、小さいながらも苔がいたるところに生えていた。時節柄、蒴を出している種も多い。そしてとうとうあこがれのミズゴケに遭遇! なぜか色彩が抜けて白っぽくなっていたが、ぽってりと生暖かい空気と水分を吸い込んでのびのびと生えている。

ミズゴケ

ミズゴケ

残念ながら自然の中とはちがうので、ルーペでじっくり見るには不向きな環境。頭を植物の根元にぶつけることになる。でも、植物と苔が共存している環境が都心のど真ん中にあることがわかっただけで、なんだかうれしい。季節によって展示される花が異なるようなので、別の花の根元には別の苔がいるかもしれないと期待している。また、東京には他にも夢の島や板橋区などに温室があるので、寒いうちにチェックしに行きたい。

家庭用温室なんてのもあるのかー。

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