苔をたずねて三千里

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第44回読書部 合同読書会 リチャード・パワーズ『オルフェオ』

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読書部は隔月で「1人ではなんとなく読む気にならないけど、他人の意見は気になる」本について集まってお話する会です。今回の課題図書はリチャード・パワーズ『オルフェオ』。10月頃に一部で話題だったので課題図書に決定したところ、円卓の騎士読書家たち(リンクはここでいいのかな?)と開催タイミングがあったので、合同での開催となったのでした。

二つの読書会とも普段より人数を絞ったとはいえ、合計23名での開催は人生初の規模。始まる前は話がまとまるのか、収拾がつかないのではないかと心配で道に迷って遅刻するほど。事前に感想をまとめたり、参加者のご協力もあって、最後までほぼ話題が途切れることもなく、個人的には(本の好みはともかく)楽しく進行できたのがよかった。

【ネタバレを含みます】

いきなり「ラストはエルズ死んでしまうん」問題から。ガラスの花瓶を手に持って玄関を出て行くというのは、細菌が入ったフラスコに似せることで、警官隊から撃たれることが前提の行為。撃たれることによって死に至るかは明記されていないが、エルズは自分の一生を音楽になぞらえて銃声を「ささやかな無限の第一拍」とする。

「セラチア菌の遺伝子を改変して音楽を書き込むことができたのか」問題は、参加者のほとんどが否定的だった。謎の感染死を遂げた患者たちは別の原因があったことや、エルズが明言していないことなどが理由。そもそも、遺伝子に音楽を仕込んだとしても、かける機械を見たことねぇ(「異星人」ならもっているかも)。このあたりはエルズの自己愛が如実に出ている。個人的には、愛犬フィデリオが冒頭で死んだ原因が明確に描写されていないので、致死遺伝子の製作に成功→フィデリオで実験→遺体を埋める→致死遺伝子を持つウイルスの拡散という筋もきちんと検証してみたかった(が、たぶんぼかして書かれているので正解はなさそう)。

「女性問題」については、神話の「オルフェオ」との結びつきについて。映画「アイズ・ワイズ・シャット」との関連性など。

全体的に風呂敷を広げた割には、エルズ自身の動機が不明瞭なまま他者や状況に動かされてしまうところで、賛否が分かれたように思う。

※書いている最中にMacが故障したため、詳細の記録があやふやになってしまい、おおまかな印象のみを載せておきます。

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