苔をたずねて三千里

苔の写真を撮り、海外文学を読んでいます。

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「驚くべきリアル」展から古本ソロツアー

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スペインだとゴヤやピカソなど有名な名前が思い浮かぶが、ラテンアメリカの美術となるとフリーダ・カーロくらいしか思い浮かばない。
そんな貧困な自分の美術認識を改めるべく、東京都現代美術館へ。
ラテンアメリカの美術を見るのは、世田谷美術館で数年前に見て以来。
あの時は半裸のキリストが斧持って十字架を切り倒してる罰当たりな絵に感動したっけ。

清澄白河。
お初です。
10分くらい歩けば東京都現代美術館に着くはずなのに、途中の古本屋2軒に引っかかって大幅ロス。
着いてみると空が広くて建物も大きい。
こういうがっつりした箱物、嫌いじゃない。
人によっては税金の無駄遣いとか言って怒るのかもしれないけど、開放感を提供できる場所が税金で作られるのって悪くない。

東京都現代美術館

東京都現代美術館

所有しているチケットで見られるのは、「驚くべきリアル」展と常設展。
「驚くべきリアル」展は点数がそれほど多くないのでさらりと回れる。
良かったのはセルヒオ・ベリンチョン「なだれ込む」。
3面のディスプレイに定点・同じ場所を横にずっと動いている・手持ちを写すことで、ある場所で起こっていることが別の場所に波及していく流れを見ることができた映像作品。
人々の焦り、地続きの国境を持つ国ならではの事件性がずっしりと身にしみる。
ハビエル・テジェス「保安官オイディプス」は意外な日本のものが使われていてびっくり。
でもラストにそれを外してはダメだろう。
ああいうの、カーテンコールのある国ならでは、という気がする。
自分の正体を明かすことで観客を安心させる意図があるのかな?
あのアイテムを使うなら素顔は見せないことで生まれる緊張感も大切にしてほしかった。
ホルヘ・ピネダ「無邪気な子供」はガルシア=マルケスの埋められても髪が伸びる少女の物語『愛その他の悪霊について』を彷彿とさせる。
この後の日本の現代美術常設展では感じられない緊張感がある。
なわとびしている少女と犬の映像のように緩い印象の作品でも、不穏というか、断絶されているというか。
単に言葉が通じないことが理由とは思えない。
そんな中、カルロス・ガライコアの暗闇の中の作品は安心する。
暗闇の中に無数の光があることはなぜか安心する。
世界中にプラネタリウムというものが存在するのだから、万国共通の安心感なのかもしれない。

常設展は「第1部 私たちの90年 1923―2013」「第2部 クロニクル 1966―|拡張する眼」として、いつもの河原温からスタート。
どこ行っても日本の現代美術というとこの人がいる。
あと草間彌生。
今日も銀色ボートがあった。
不動の4番打者。
大宮昇や北川民治の描く労働者の力強さにぐっときました。
描かれた人々の顔を見て、自分もその年代なのだなと。
なんとなく大人の苦哀が描かれている絵は、自分たちよりも大人の人が対象だと思い込んでいた。
もう自分も描かれる対象なのよね。
後半はアバンギャルド!
篠原有司男の花魁がネオンで輝く!
横尾忠則がサイケデリックにヤクザ!
60〜70年台ジャパンアートかっこいいです。
下世話なんだけど、フォントや配置が魅力的。
東京都現代美術館いいなあ。
売店もおもしろいもの売ってるし、人も多くないので、展示内容はともかく、いるだけで楽しい。

東京都現代美術館ホール

東京都現代美術館ホール

このまま清澄白河に戻るのも芸がないと思い、空腹を抱えて森下へ。
都合3軒の古本屋に出会い、どれもひと癖あるいい店ばかり。
でも森下はのらくろ祭りのせいか、お店全然営業してない。
みんな無料で配られるタオルとかシュウマイに並んでる。
シュウマイ買ってやるから店開けてよ。
仕方なく神保町まで移動して、結局中華。
こっちも地元の祭りで店開いてない。
なんか賞をとったとかいう餃子とXO醤チャーハンにしたけど、しょっぱい。
残念。
珍しく外でメシ、という意気込みがもろくも崩れた一日でした。

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