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ナボコフ『青白い炎』(岩波文庫)時系列

ナボコフと言えば「難解」「韜晦」「天才」など数多くの賛辞が与えられてきて、20世紀を代表する作家と言われています。でも、これらの賛辞は印象だけでしかなく、分け入ってみれば豊かな世界が晴れ晴れと(時にはロリータのようにひどい台風ととも...
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吉田絃二郎『わが詩わが旅』(響林社文庫)

吉田絃二郎が誰なのかも知らずに読み始めたのは、Twitterで信頼できる人がほめていたから。Kindleで安いので即決したが、開いてみたらFix型と言われるむかしの版をスキャンして並べたものだった。旧字を最新のiPadで読むというの...
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『古文書返却の旅―戦後史学史の一齣』(中公新書)

宮本常一の存在を知ったのは、東日本大震災がきっかけだったと思う。Evernoteの記録によると2011年5月に岩波文庫の名著『忘れられた日本人』を読んでいた。「忘れられた」というのは民衆の生活であり、技術が発達していくごとに使われな...
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#私の平成の30冊

元号なんてなくていいと思っているのだけど、30年間自分が何を読んできたのか振り返るにはいいと思って、Twitterのハッシュタグに便乗した。 学生の頃はちょっとおかしくてほとんど本が読めなかった。同じ落研の人から借りたベルグソン『笑い...
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第63回読書会ウィリアム・ギャディス『JR』

2019年最初の読書会は、実に900ページを超えるウィリアム・ギャディスの大作『JR』。内緒ですが、申込後に読了を断念する方も現れたくらいの難物です。通勤電車で読み続けた結果、体を壊す人もいたくらいで、質量は1kgを越えるとか。まじやば……...
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ウィリアム・ギャディス『JR』は半分を過ぎた

Amazonで「JR」と検索すれば最初に出てきて、国書刊行会から重版の噂も聞こえてきたけど、わたしはまだ500ページまで読んでいない。平日は数ページしか読めていないものの、休みになると数時間費やしているのに、1ヵ月たってまだ半分程度...
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文化大革命ってロマン

初めて文化大革命のことを知ったのはたぶん高校の社会科だと思うのだけど、しっかり自分の中で気になるリスト入りしたのは映画「さらば、我が愛 覇王別姫」。 大島弓子をはじめとした少女漫画ばかり読んでいた頃なので、男性同士の恋...
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行動経済学って人間の理性を疑うことなんですね。ダン・アリエリー『予想通りに不合理』

自分では効率的に最適な解をそれなりに選べていると思って生活している。仕事ではタスクを洗い出して、かかった時間を記録し、繰り返しそうだったり忘れてしまいそうなことは簡単だけどマニュアル化している。 買い物だって安さとおいしさと時間を...
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増上慢すれすれなタイトル 小林秀雄・岡潔『人間の建設』

このタイトルは小林秀雄がつけたのか、編集者がつけたのだろうか? わたしは小林秀雄を最近になって見つけて、タイトルの不遜さに驚いた。中身を一読しただけだが、二人はこの言葉を使っていない。 この対談には酔いしれると同時に、ここにい...
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第62回読書部ウンベルト・エーコ『ヌメロ・ゼロ』

2015年に発表されたウンベルト・エーコ最後の小説『ヌメロ・ゼロ』、英語だと「ナンバー・ゼロ」になります。過去の日刊新聞を作るという名目で集められた編集者たちは、(存在を確認していない)クライアントの意向に沿いつつ、読者をコントロー...