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R&B アーカイブ

2006年07月16日

JOE「and then ……」

And Then...
And Then...
posted with amazlet on 06.10.08
Joe
Zomba (2003/12/16)
売り上げランキング: 100,767

JOEはすました顔してエロい。そのエロさも単にいやらしいわけじゃなくて、スマートに導いてゆっくりと盛り上げていくグルーヴィーなエロさ。こういうタイプは年上からはかわいがられて、年下からはかっこよさでモテる。

このアルバムでは前作「better days」よりもエキゾチックな雰囲気が出ている。女性ボーカルがアクセント的に使われて、全体としてもベースとドラムが後ろを固めてJOEのボーカルでメロディを作り出している。エフェクトのかかったコーラスがふわふわっと重なって高みに到達する曲調はわたしの単純な好みもあるけれど、おおげさなキーボードをぺらぺらと重ねて安直にゴージャスさを出そうとするアディ○○スみたいな環境音楽一歩手前に爪のあかを煎じて飲んでいただきたい。やっぱり声の重なりってきれいだし、人を動かす力があるのですわ。

R.Kellyと組んだ3.More and moreではベードラが心臓の音のように鼓動を刻み、切なくもエロ。歌詞は「ベッドから床へ、床からキッチンへ、まっすぐリビングへ、きみのことをクレイジーにするぜ もっともっと」とエロまっしぐら。

シングル2.and then…も女性ボーカルの吐息が残り、ぐぐっと押し上げるような曲。バックに女性の笑い声やグラスと氷が触れる音がして、具体的なシチュエーションが見えるようです。「それから…?」と女性が聞き、JOEが「僕の全部をあげるよ」「きみの瞳に釘付けさ」「秘密をすべて打ち明けるよ」とくどいていく。将棋でいったら三手詰め、もうすぐですよ。

スムースさとエロさを兼ね備えて、それでいてキャッチーなメロディ。はじめは前の「better days」に比べるとちょっと地味な印象があったものの、聴き続けていくとどんどん深みにはまってしまいます。大人のエロでも言ってることは意外にシンプル、これがモテるこつなのかもしれません。

2006年10月24日

テレメンタリー2006「絆〜盲目の高校生ミュージシャン木下航志の旅立ち」

絆
posted with amazlet on 06.10.24
木下航志 藤井康一 名村武 市川喜康 岩見志保里 カンナ 三木露風 白岩真紀
アール・アンド・シー (2006/02/01)

鹿児島の木下航志を知ったのは去年だったか、Inter FMSoul Blendsがきっかけだった。まだ線は細いけれども確かな手応えのある演奏と歌、そしてやはり盲目であることを聞いて注目はしていた。今年に入って東京の活動が増え、アルバムセールスも好調と聞く。また、ラジオで初めて聴いたときよりも明らかに上手になり、力強さが増した。その彼のドキュメンタリーを偶然見た。

彼のおもしろさ、ほがらかさが完全に失われたつくりだった。ラジオを聞けば分かるとおり、親父ギャグをとばし、若さから想像するよりも意外な知識があったりする。何よりも彼の音楽性についてほとんど触れられていないのが腹立たしい。オリジナル曲は比較的きれいで優しい曲が多いけれども、R&Bのラジオで紹介されているように、本人はグルーヴさを持ち合わせていることをしっかり伝えてほしかった。

また、「お父さんがいたらよかったと思う?」「目が見えなくて苦労したことは?」などのお決まりの質問にはこちらが恥ずかしさを覚える。今、必死に音楽の海に漕ぎ出した人に向かって、その後ろ向きな質問はなんてことだ。また、家族水入らずのシーンが多すぎることもわたしにはマイナスに見える。弱々しい雛が飛び立つ場面なら野生の雀なり燕なりを撮ればいい。音楽という人間に与えられた可能性をもっと押し出した、この人をきっかけに見ている方が新しいR&Bなどの音楽性を発見するような、彼がおもしろいと感じていることに乗っかれるような番組が見たかった。押し付けがましい「ひゅーまにずむ」に苛立ちました。

2007年10月21日

Solo「Solo」

ソロ
ソロ
posted with amazlet on 07.10.21
ソロ
ポリドール (1995/12/10)
売り上げランキング: 190849

1995年のアルバムで、黒人4人組による、いわゆるR&B。わたしはプログレッシブロック好きでありながらいわゆるモダンなR&Bも好きなわけですが、特にこのアルバムのようなフックのある男子コーラスには目がない。Boys 2 MenからK-ci&JOJOあたりでその傾向に目覚めたわけですが、最近はどうもぴたっとくるものに出会えてなかった。わたしのサーチ能力と金銭能力が弱っていたことが主な原因ですが、ここでわたしの好み一直線なものに出会えた。思うに、本当に好きなものに出会えてないと、好きなものを見つけたときもすぐに気づけなかったりする。このアルバムも1週間くらい聴きこんでみてようやく好みスイッチが入った。

クラップやベースがずしずしきますが、ところどころにきれいなピアノが絡んでくるところがいかにもプロデューサーJam&Lewisな感じ。Janet Jacksonの「All for you」あたりのポップセンスはわたしの好みに大きく影響していることを改めて実感。このアルバムでは3.Blowin' my mindや5.Heaven、10.Where do U want me to put itが、そのフックでくいくいっとわたしの耳を釣り上げてくれる。最近の音楽はどうも休符がなくて疲れてしまうのだけど、このアルバムは無駄なキーボードが詰め込まれすぎてないからやさしいし、曲のバリエーションが幅広く感じられる。

ところどころにはさまれるウッドベースにアカペラコーラスのインタールードがまたぐっと粋を感じさせる。有名なプロデューサーだけが売りじゃありませんよ、という彼らのルーツを強く主張している印象。Boys 2 Menほど甘くなく、Hip Hopのようにリズムだけ、というわけでもない、バランスのとれたさじ加減。このさじ加減はともすると流行でないという理由からチャートからは見放されたりすることもありますが、これは実にスムースで元気なかっこよさがある。

インターネットで検索するとどうしても2000年以前の音楽は有名どころや根強いファンがいない限りなかなか知らないおもしろいものには出会いにくい。まして「Solo」なんて検索の海に埋もれてしまいそうな名前では、偶然に出会う確率はとても低くなるだろう。そんな中で思いもかけないすてきな宝物に出会えた喜びは大切にしたい。普段黒人音楽になじみのない人でもきれいなコーラスはジャンルを超えてめろっとくることまちがいなし。12年の時を経て今年一番のおすすめです。

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