John Coltrane「Ballads」
Impulse (1995/06/27)
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何一つ楽器ができるわけでもないのに音楽を聴けば救われると無心に信じていた20歳の頃、それまでメタルやプログレのような白人中心の音楽世界に、Jazzという黒人のリズムとメロディが入ってきた。元々打楽器によるリズムのうねりに興味があったのだから、Jazzにたどり着くのも当然。しかし、1940年代あたりに録音されたチャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーのような大御所、教養として聴いておかねばならないアルバムはどれもこれもノイズが混じっていて、今ならば味と咀嚼できるところがイヤでたまらなかった。ノイズのうっとうしさを感じずに、Jazzのメロディを堪能できるものを探してたどりついたのがこのアルバム。
コルトレーンはマイルス・デイヴィスのバンドからソロになり複雑なJazzに移行した時期のスターで小難しい音楽も中にはあるけれど、「Blue Trane」の豪快さやこのアルバムの繊細さなども持ち合わせており、頭でっかちなだけではない。このアルバムは1.Say it(over and over again)のフワリと身体が軽くなるようなイントロから優しさに溢れている。ここはビル・エヴァンスの「My Foolish Heart」のイントロ、シンバルのブラシに匹敵する神懸かりぶり。
Jazzを聴くときはいつもより心持ちボリュームを上げ気味にして、ベースやドラムもしっかり聴き分けるようにしています。音楽全体のまとまりも大切なのだけど、構成する要素それぞれのおもしろさだけに着耳するのもおもしろいのがJazz。このアルバムではやはりドラムのエルヴィン・ジョーンズがタイトなスネアの音で「ツッ、スタタッ」という切れの良さがあるから、情に流されそうになるコルトレーンのテナーをうまく支えていられるのだと思います。Jazzにしては曲の時間が短いものばかりだし、初めてJazzを聴くには最適な一枚。
