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2007年08月05日

『「超」整理法』『知的生産の技術』

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)
野口 悠紀雄
中央公論社 (1993/11)
売り上げランキング: 8173
知的生産の技術
知的生産の技術
posted with amazlet on 07.08.05
梅棹 忠夫
岩波書店 (1969/07)
売り上げランキング: 10852

今週はあの『「超」整理法』と『知的生産の技術』を読んでみた。 いずれも生活をちょっと便利にしようという試みです。

『超整理法』は立ち読みしたときにはさっぱりありがたみが感じられなかったけど、きちんと読んでみると「時間順に」「一カ所に」「封筒(わたしはフォルダ)に入れて」並べるだけというシンプルさが実用的。会社では週に5つくらいの仕事を平行して進めているので、マニュアルなどが膨大になってしまう。それを時間順に並べることで場所が分かりやすくなり、今すぐには使わないけれど1年後などに使いそうなものは同じ場所にあってもまちがって手に取らないようになっている。わたしは本棚など持てる立場ではないので、引き出しの一番下を棚に見立てており、座ったままで仕事に支障を来すこともない。今までもおおむね同様にしまっていたけれど、ものによってはクリアファイルを使ったりもしていた。それを統一したというのは自分としてはかなりの進歩。

『知的生産の技術』からは日頃のアイデアを形にするためにメモを持ち歩くことが大切、と教わった。思いつきを形にするには今なら携帯やPDAが進化したためメモを持ち歩く必要はないかもしれないが、フリーハンドの有効性という観点があることを心にとめておきたい。文字でメモをとるよりも、イラストの形の方があとあと自分の脳を刺激しやすい。文字だと再度形にするため脳みその再発火が必要になるところを、イラストの形だとそれに肉付けするだけでよりしっかりした形にできる、はずなんだな。そう考えると、現在会社のアイデアやメモはBeckyのリマインダにほとんどを保管しているけど、当然どれも文字で書かれており、脳みその再発火が必要な形なわけだ。むしろ梅棹先生のように紙のカードに落書きしたものを保存できる体制を作っておくべきかもしれない。

あと、日本語タイプライターの試行錯誤ぶりはおもしろかった。パソコンができて梅棹先生はどれほどお喜びであろうかと思ったら、1986年に失明されているそうです。それでもきっと点字などで進歩の革新をお喜びになっているでありましょう。

こういう本を読むことで、自分の脳みそを焚き付けることも大切だな、と思ったことです。

2007年08月10日

大橋禅太郎『すごい会議』(大和書房)

すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!
大橋 禅太郎
大和書房 (2005/05/18)
売り上げランキング: 874

冒頭2章は著者の学んでいない頃の自慢話なので読む意義はあまりない。3章以降は具体的に会議の進め方とその効能について語られるようになる。

読書会でもそうだが、意見を言える人と言えない人の差が表れてくる。今までぼんくらなわたしはそのことにあまり気を使ってこなかったが、それじゃおもしろさが出てこない。そこで本書で語られるのが「紙に書いてから発言する」というもの。相手の意見が入り込む余地がないため、流されたり発言しないという選択肢がなくなる。会議ではありませんが、わたしも仕事中に相手に何かを頼むときに要望を書いてから持っていったら自分の言いたいことがきちんと伝えられました。頭の中だけだとつい相手の要望をも取り入れた意見に作り替えてしまうのですが、これならその心配はなし。

また質問の形式を「○○はダメだ」から「どうやったら○○はよくなるか」に変えてみるというのもある。これも根がネガティブなわたしには良いアイディアに聞こえるが、まだ実行には移していない。発想を形式的にあてはめることは思考の定型化につながりそうで危惧するところもあるのだが、何、わたしのような凡才がおそれることがあろうか。

本書は会議をとりおこなう人間にしてみれば大変有意義だろう。しゃべることがまとまらなかったり会議の進行が不得手という人はわたし以外にもたくさんいるはず。もちろんある程度は経験で埋められるものもあるだろうが、それだって会議を良くしよう、会議から組織を発展させようという志がなければ進むものでもない。小説や歌ならば自由であることに価値があると思えますが、組織をまとめるためにはその自由度は不要かもしれません。それに考えを定型化するのではなく、考える過程を定型化するわけで、自分の脳みそはむしろ前よりもたくさん活動させなければならない。たとえ会議を仕切る側でなくても、本書に書いてあることで実践できることは多そうです。わたしも読み込みが足りないし、薄いので毎週月曜に再読してから仕事に行く、というのもいいかも。

2007年10月06日

野口悠紀夫『「超」整理法3 タイム・マネジメント』(中公文庫)

「超」整理法〈3〉 (中公新書)
野口 悠紀雄
中央公論新社 (1999/06)
売り上げランキング: 239692
おすすめ度の平均: 3.5
3 個人の整理用途としては有効です
4 「スペース」の暴虐
4 捨てる方法論

わたしが読んだのは文庫版の3巻で、時間管理についてのみ書かれていた。

時間管理方法は人や立場によって臨機応変でなければならないというのが大きな感想。著者の場合は講演会や原稿執筆が仕事なので、ある程度まとまった時間を長い期間に渡って把握することが必要になる。しかし、今のわたしの仕事では1日〜1週間単位の仕事を並行して完了させていくことが求められるので、タイムスパンが少し短い。頻繁に別の短時間の仕事が入り込んでくるため、それぞれに集中してやっつけていくことが求められる。本書で確保すべきとされている予備日(もしくは予備時間)はわたしには向いてない戦法に思えた。だいたい予備日なんてあったらさぼって酒呑んじゃうぞよ。

仕事とは関係ないが、本を読んだり音楽を聴いたり、それらを買いに行ったりする時間というのは意外にコストがかかるものであります。それらの時間をある程度管理する(特に買いに行く時間な!)ことで、無駄に古本屋に入り浸ってどっさり買い込んでも読む時間がない、という状況を防ぐことができるような気がする。買うのは月1〜2回とし、それまでに買うべき本やCDの情報を集め、自分の財布と相談して一気に買い込むようにするといいかも。買いに行く時間的コストを視野に入れるとどうしてもAmazon最高という結論になっちゃうのよね。

結局のところ時間管理とか仕事術というのは、自分が何に時間を使うべきであるかを自覚し、それまでのやり方では達成する見込みがない時に必要になってくるのではないか。いわゆる自分のやりたいことが見つからないと、自分を管理する必要もないし、時間なんてだらだら過ぎていってもちっとも問題ない。ただし、そういう人でも「他人の時間を大事にしよう」という章は必読であり、人にものを聞くことで聞かれる人がどれだけのコストを払っているか、またコストを払ってでも疑問点を聞いて自分がその人にとって役立つ仕事ができるようになることが大切である、ということは理解しておいたほうがよろしいでしょう。

とはいえ、あまりコスト計算に神経質になりすぎると「口うるさいおばさんみたいなおっさん
」と反感を買うこともある(やや実話)ので、まず自分で実践しイヤミにならないように周囲へシフトさせていければいいなあ、と思ったのでした。もういっそ教科書の一つとして取り入れてもいいくらい、あらゆる人が考えておくべきことが書かれています。自分なりにアレンジする必要はあるにしても。

2008年01月06日

岡野雅行『あしたの発想学』(リヨン社)

あしたの発想学 (かに心書)
岡野 雅行
リヨン社 (2006/08)
売り上げランキング: 210612

404 blog not foundさんのところで見て気になっていた本。金型についてはさっぱり分からないわたしでもなんとかなりそうだと思って、珍しく安くなってない本を購入。1時間で読了。新年あけて明日から仕事だ、という今日、読むには最適の一冊でした。わたしの仕事と著者の金型工場という仕事では、ほとんど共通するところはないけれども、それでも働く上で学ぶことはたくさんあるし、何より仕事に打ち込んでいる自分を肯定できるところがすばらしい。仕事に打ち込んでいるというのは、10にしてくれという仕事をもらって10に仕上げることではなく、15やら20やら100にすることだ、という今のわたしの考えがそれほどまちがってないと思えた。

一方で素直に首肯できないのは、仕事に打ち込みすぎて睡眠時間は3時間、1から10まですべて自分でやりとげるところ。やっぱりわたしはプライベイトも大切にしたくて、仕事はきちんと定時で終わらせて晩メシは自分で作りたいし、睡眠は7時間は欲しい。でも、著者はそうしていてはいけないと説く。修業時代は、昼間は父親の仕事を手伝い、終業後の夜中に自分の技術を磨くために別の仕事をしていたという。これをするには仕事への情熱だけではだめで、若さや体力などの個人の特性も関わってくると思う。わたしが同じことをしたらおそらく1カ月で身体を壊して普段の仕事さえできなくなるだろう。著者自身も院生や大学生は採用しないと書いている。

この本から学んだ、というよりは自分の甘えた考えをどこまで著者に近づけられるか、だと思う。すぐに自分の仕事に反映できるのは、普段から仕事のことを考えていなければ難しいだろう。

そして「後がない」と考えることも大切。わたしの親はもうお金を稼いでいないし、わたしが一文無しになって住むところもない。わたしは怠けたら猫ともども路頭に迷うしかないし、現に派遣社員という名のアルバイト時代はずっと金銭的に厳しく毎月財布とにらめっこばかりしていた。逆に親が裕福で働かなくても平気だったら、たぶんわたしの性質からして死ぬまでろくに働かずギャンブル三昧だったろうとも思う。彼氏/彼女ができたり、子供ができたりすると責任感が出てくるのかもしれないし、著者のように単に仕事が楽しくて成果を上げることに喜びを見いだすこともあるだろう。

著者は明確にしていないけど、自分の感情を仕事にきちんと利用している人だと感じた。納得がいかなかったら仕事を引き受けない、できないことに「悔しさ」を感じてできるようになるまでやる、いい仕事ができたらきちんと褒める、などモチベーションは感情の操作から生まれる。自意識の高い人はそれを素直に出すことに抵抗を覚えるから仕事に迷うのだと、わたしも去年ようやく気づけた。うまくいかないいらだちを直接表現するのは御法度だけど、そのいらだちを原動力として仕事を推進できるようになりたいものだ、と思いました。

正直なところ特に目新しいことが書いてあるわけではないように思います。しかし、仕事におもしろさを感じられない時に読むには最適。そういうモチベーションを上げる本としては、本書と『仕事は楽しいかね?』の2冊があれば十分かも。こういう本はたくさんあっても、結局自分の身に引きつけて考えられなければただの惰性にしかならないだろうから。小説のあらすじ本を読んで小説を読んだわけではない、のとちょっと似ているような気がします。

仕事は楽しいかね?
仕事は楽しいかね?
posted with amazlet on 08.01.06
デイル ドーテン Dale Dauten 野津 智子
きこ書房 (2001/12)
売り上げランキング: 1801

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