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対決 巨匠たちの日本美術

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これはすばらしかった! 大切なものを質に入れても見に行くべき展覧会。しかも8/17までと会期は短い。急げ!

日本美術にはとんと疎いが、先日図書館で借りた『江戸絵画万華鏡 戯画の系譜』で見た曽我蕭白が間近で見られるとあっては行かねばなるまい。平日の午前中でも人はいっぱい。でも茶碗や浮世絵のような小さいもの以外は屏風など大きな作品が多いので、あまり窮屈な感じはありません。しかし、休日となったらどれほどの人出になるのやら。

まず入っていきなり運慶と快慶の地蔵であります。雄大で力強い運慶に対して、繊細で端正な快慶。正に動と静の対比。運慶の迫力にも圧倒されるが、快慶の彫ったとは思えない袈裟の波打ち加減には驚いた。風がそよいだら形が変わりそうなほど、何度見ても絹にしか見えない。世の中にはフェルメールを全部見るためにオランダに行ったりする人がいると聞いて酔狂なお方や、と溜息をついたこともありますが、運慶と快慶を見るために奈良に詣でたくなったので人を笑えない。

楽茶碗の長次郎と本阿弥光悦の対決もみもの。楽焼正統の長次郎の茶碗は釉薬がそれほどこってりしておらず、素朴でさわったら手にしっくりなじみそうな印象。「無一物」「時雨」のしっとりとして景色にすっぽり収まるようで、非の打ち所がない。以前三井記念美術館で見た茶碗も多かった。一方の光悦は光が反射するほど釉薬がこってりかかっており、切り出したような形が美しい。「大ふく」はオレンジ色の卵をすっぱりと半分に切り落としたかのよう。

そして個人的見所その一は伊藤若冲と曽我蕭白。若冲のにわとりは去年一昨年とさんざん見ましたが、相変わらずデコラティブなにわとりでした。お目当ての蕭白は寒山拾得を題材にした屏風など、やり過ぎこり過ぎ。寒山が破天荒な人物というのをふまえた表現なのかもしれないが、ここまでユーモラスな顔にする必要性がまったく分からないけど、おもしろいものはおもしろい。それでいて背景は力強く冬の訪れを告げる風を感じました。

対決と題されている通り、日本美術の巨匠たちによる大傑作の競演で、どれ一つとして見逃せない。一度作品をまっさらな状態で見てから、レンタルのボイスガイドを聞くのがおすすめ。今回は特に有名な声優さんたちばかりで、各作品ごとに声優の個性をも楽しめる。特に羽佐間道夫さんの気合いの入った笑える解説は必聴。展示替えもあるそうなので、1カ月ちょっとの短い期間に何度も通ってしまいそうです。

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