感想を書けていない本がたくさんあるのですが、書いては消し書いては消しでちっとも進まないので、すでに書いていることについて触れてみます。
2008年は昨年に引き続き、良い本がたくさん新刊で出ているのでうれしい悲鳴をひーひーあげています。ひー。とはいえ買ってある古本は読まねばならないし、時間の配分が難しいところ。ただ、個人的には古典に回帰しつつあり、岩波文庫が本棚の占有率をあげていることには今後の期待がかかります。特にロシア文学のトルストイ、プーシキンなどは今年中にある程度数を読んでおきたい気分です。
では第5位。ほとんど順不同ですが、気分を出すために。若桑みどり『イメージを読む』です。
著者は惜しくも昨年秋に亡くなりましたが、著作は中年にさしかかろうとするわたしの目を美術に初めて触れる少年の目に戻してくれました。万人必読です。
第4位はイサベル・アジェンデ『精霊たちの家』です。
ラテンアメリカ文学としてはガルシア=マルケスの次の世代となるのでしょうが、すでにクラシックとなっている1冊。今頃読みました。確かにガルシア=マルケス『百年の孤独』に影響を受けているでしょうが、整然としたクロニクルとしてまた別の評価を与えるべきだと思います。今はジュブナイルまっしぐらですが、またこの路線に復活してほしいものです。
第3位はスペインの名文家フリオ・リャマサーレス『狼たちの月』です。
スペイン内戦について興味が高まるきっかけになった1冊です。それにもまして、リャマサーレスの言葉の選び方、冷たさ、観察力がとても興味深く、スペインに興味がない人にも読んでいただきたい。特に前に訳されている『黄色い雨』は生涯ベスト5に入る大傑作。おすすめです。
第2位はマリオ・バルガス・リョサ『楽園への道』です。
河出書房新社
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鳴り物入りで始まった河出書房新社の世界文学全集。当初はケルアックやデュラスなど改訳ものばかりが目立って不審な気持ちになりましたが、蓋を開けてみれば名作を再読する良い機会になったのかも。本作はリョサが二人の現実非適応者をうまく描き分けつつも、血を分けた共通点をしっかり見せることで、また彼のマスターピースが増えたという印象です。Amazonでも軒並み★5つ揃いで驚いた。
いよいよの第1位はいまさらだがこの人しかいないウィリアム・トレヴァー『聖母の贈り物』です。
国書刊行会
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わたしの好きな作家を5人あげるとしたら、ガルシア=マルケス、コルタサル、ボルヘス、A・E・コッパード、リャマサーレスをあげますが、そこにさらに一人追加されることになってしまった。強烈なインパクトを持ちつつ、冷静な観察力と豊穣な言葉を耕して作られる名短編の数々。新潮から出ている『密会』も読んで大変すばらしかったのですが、感想がまだ追いついていません。『密会』の方が若干ソフトかも。



