マティス+ルオー展
マティス+ルオー展というよりは「ルオー展にマティス、モローたんもある展覧会」に行ってきました!
ルオーのごってりと塗りたくられた絵の具の上に別の絵の具を合わせて、水彩絵の具が滲んだときのような効果が大好き(師匠のモローも水彩画で同じような効果をよく使っています)。初めて近場で見たときにごってりと盛り上るほど塗りたくられた絵の具を見て「世界初の3D絵画!」と驚いたのは大学生の頃だったか。この前の「ポンピドゥー・センター展」にも「キリストの顔」が来ておりましたな。でも、いつも企画展のツマでしかなくて、まとまった数が見られる展覧会はわたしには初めてなので、前々からとても期待しておりました。
会場に入るといきなりモローたんハァハァ。ケンタウロスいいよ、ケンタウロス。ルオーも初期は暗い画面に水浴する人物が見分けられるような陰鬱な印象画を描いていたのが、徐々にげじげじ輪郭線が主張するようになってきて、キリスト教関係やピエロあたりで爆発する(フォービズム)。でもね、ルオーのしっかりとしたデッサンや色の選び方を見ていると決して思いつきで描いているわけじゃないと思うのです。太い輪郭線は対象の動きであり、生命・存在の輪郭であり、その中に置かれる色にはいちいち込められた気持ちがあるように見えました。特に赤は、黒が支配する画面の中で心臓や血を表したり幸福への入り口を表したりと、シンボル的な扱い方をされています。
キリスト教やサーカス、農夫を描いたのはやはりルオーも貧しい者たちへの同情・愛情があったからだとか。展示の説明に、「貧しさとは、優しさの一表現である」とあってちょっと泣く。貧しさがさみしくつらいものだけではなく、貧しさに生きる者たちには優しさがある、ということをいつも忘れずにいたいものですし、自分もその一人であることに胸を張りたい気持ちになりました。マティスは全体の1/4くらいでファンにはおすすめできませんが、ルオーの作品をごってりした黒の固まりくらいに認識していた人(わたしだ)には超おすすめ。這ってでも新橋まで行くべき。


